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ワタミ創業者・渡邉美樹氏が日経ビジネス「敗軍の将」に登場 「理念が曲解されてしまった」と釈明

2016年01月26日 17:00  キャリコネニュース

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社員の過労自殺訴訟で「法的責任はない」と争っていたワタミが、2015年12月に遺族と和解して1か月半あまり。ワタミ創業者の渡邉美樹氏が日経ビジネス誌に登場し、「もっと早く、和解すべきだった」と後悔の念を表した。

全面的な反省を示すことでブランドイメージを回復する絶好の機会だったが、実際にはそうはならなかったようだ。言葉の端々には「理念が曲解されてしまった」「心ない誹謗によってワタミは大きなダメージを受けました」など弁解じみた言葉もあり、ネットには「責任逃れの詭弁だらけだな」と批判的な声も見られる。

「もっと早く、和解すべきだった」理由はなぜなのか

渡邉氏のインタビューが掲載されたのは、同誌2016年1月25日号の「敗軍の将、兵を語る」というコーナー。導入部分では、遺族との和解を決断した創業者が「その胸の内を明かした」とされている。

見出しには「もっと早く、和解すべきだった」とある。ただし内容は、過労自殺を起こした会社の体質やしくみについて全面的に反省する内容かと思いきや、

「これ以上裁判を続けても、話し合いの妥協点が見つけられないという思いに至り、もう終わりにしようと和解を決断した次第」

と、和解が妥協の産物であるかのように語っている。渡邉氏としては、本当はまだ納得できなかったところもあるのか、裁判についてはこんな心残りも述べている。

「残業の考え方など法的な面ではしっかり話し合うべきだと考えていました。雇用問題について社会的な問いかけをしたつもりでした」

ワタミにはサービス残業などの違法行為はなかったと言いたいのか、あるいは「働くことは生きることそのもの」という考え方をもっと主張したかったのか。しかし、「法的な責任はない」と主張していたワタミには、当初から違法行為が蔓延していたことが分かっている。

違法状態が蔓延していた責任については認めず

元従業員によるネットの口コミなどには、以前から「サービス残業が横行している」という指摘はあった。さらに2014年9月には、ワタミが労基署からおびただしい数の「是正勧告書」や「指導票」を交付されていたことが裁判で明らかになっている。

それにもかかわらず、渡邉氏は「24時間365日死ぬまで働け」という理念が曲解されたと釈明する部分で、次のように付け加えている。

「週休2日制などのルールは当然、守った上での話です」

しかし、違法労働の証拠というべき「是正勧告書」が現に存在している。しかもこれらの書類は、遺族側がたびたび請求し、ようやく提出されたもの。これが裁判の流れを決定づけたとも見られるが、渡邉氏はこれを認識していないのだろうか。

また渡邉氏は、ネットを中心とするワタミへの「ブラック企業」批判がイメージダウンとなって事業に影響を与えたことについても、いまだに納得できないようだ。

「(遺族との)話し合いの妥協点を見出そうとしている間に『ブラック企業』というレッテルが貼られました。非常に残念なことです。その評価は、ネット社会においてあっという間に広がりました」
「一方、私たちは裁判中で公には発言できない。心ない誹謗によってワタミは大きなダメージを受けました」

「いずれ事実が風評を変えていく」と締めているが

ワタミ批判を「誹謗」(=根拠のない悪口で他人を誹り、名誉を汚し、貶めること)とされたネットユーザーからすれば「違法状態は確かに存在したんだから、素直に反省すればいいのに」と反論したいところだろう。今回の記事について、ツイッターやはてなブックマークに辛らつな批判があがっている。

「悪いことをしたとか、反省するとか、そういう気持ちは無いように感じるのですが」
「理念が独り歩きしてしまったことが死を招いた。んだって。従業員のせいか…」
「責任逃れの詭弁だらけだな。曲解したやつが悪い、道義的にはこっちが悪いけど法律的に被害者を突っ撥ねる」

中には「すべての元凶はあなたですよ渡辺さん」とまで言う人も。渡邉氏はインタビューを「風評も一気にはなくならないでしょうが、いずれ事実が風評を変えていくと信じています」という言葉で締めているが、渡邉氏の言葉に納得できない気持ちを抱えた読者も少なからずいるのではないだろうか。

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