F1が新たに迎えるチームオーナーのジーン・ハースは、オースティンのサーキットは財政難を乗り越える方法を模索し、アメリカGPの開催地として存続していくと確信している。
テキサス州は、F1開催のための年間助成金を2500万(約29億6千万円)ドルから1950万(約23億円)ドルへと削減。これを受けてサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の代表であるボビー・エプスタインは昨年11月、アメリカGPの将来は「あまり良くないようだ」と英国オートスポーツに語っている。2015年アメリカGPが、豪雨のために経済的損失を受けたことも影響している。
だが、2016年から新たにF1グリッドにつくことになるハースは、オースティンの状況を楽観視している。
「開催危機の懸念はつきものだが、オースティンは美しいコースだ。多額の資金を投資してきているから無駄にするようなことはないと考えている。サーキットはオースティンに多くの収入をもたらしている。ああいったイベントを開催したがらないという考えのほうが、理解できない」
「あそこは何が起きようとも素晴らしいコースであり、生き延びていくだろう。あのサーキットが使われないなんて想像もできない」
オースティンの将来がどうなるかにかかわらず、ハースはF1がアメリカで開催され続け、さらに拡大して展開していくと信じている。
「アナハイム、カリフォルニア、ニュージャージーという話もあった。いまはメキシコシティで1戦、カナダで1戦を開催している。問題は北アメリカで3戦目、4戦目の開催があるか、というところだ。いずれにせよ北米での開催はゼロにはならない」
そもそもテキサス州は2億5千万ドル(約296億円)でF1を10年間開催するとの公約がある。F1の商業面を管理するバーニー・エクレストンは昨年11月に「これが守られないのであれば、オースティンで開催を続けることは難しい」と発言している。
COTAプロジェクトは「開催都市に収入をもたらすレースは助成金を受けるに値する」との考えに基づいて構築されたもの。実質的には州外からの観客が、滞在中どれだけの税収を生み出すかということになる。
2016年アメリカGPは10月23日に予定されているが、発表済みのF1カレンダーには「主催側との合意を条件とする」との注意書きが記されている。