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訪日客による年間消費額は3兆円超 支持されたアイテムやキーワードは?

2016年01月24日 15:32  Fashionsnap.com

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百貨店の免税手続きカウンター前 Image by: Fashionsnap.com
観光庁や日本政府観光局(JNTO)が、訪日客に関連した年間データを今週相次ぎ発表した。2015年の1年間に日本を訪れた外国人旅行者数は過去最高の1,973万7,000人(前年比47.1%増)を記録し、45年ぶりに訪日外客数と出国日本人数が逆転。消費額は速報値ながら3兆4771億円(前年比71.5%増)となり、年間で初めて3兆円を突破した。インバウンドの購買需要は、百貨店だけではなく、大都市の商業施設やセレクトショップ、コスメを中心に揃えたドラッグストアでも高まっている。

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 ドラッグストアは中華圏訪日客による「爆買い」が昨年の流行語大賞を獲得するほど人気のスポットだが、コスメを中心に扱う店舗業態でも爆買いは健在。免税売上が全体の約4割を占めるという「アインズ&トルペ 新宿店」は、資生堂の他にも「ヒロインメイク」や「キャンメイク(CANMAKE)」が特に人気で、カテゴリー別ではシートマスク、美容液、マスカラが売上の上位を占めているという。目的買いが多く、100個単位でまとめ買いしていくこともあるようで、客単価は日本人の約5倍の2万円強。化粧品以外では、「女の欲望」シリーズをはじめタイツの購入者が多い。
 商業施設は昨年から、百貨店のように免税手続きを一括で行えるようになり、特に都市部の施設は免税売上の高まりに期待を寄せている。ラフォーレ原宿はかねてよりゴシック・ロリータ系ブランドが欧米のファンに強く支持されているが、最近では他にも、デザイン・キャラクター性が強いジャパンブランド、高単価のインポートショップ、セレクトショップで買い物をする訪日客が増加。昨年1月~11月の免税売上は前年同期の2倍近くに伸びた。
 セレクトショップでも免税売上の構成比は日々高まっており、ユナイテッドアローズでは主力のセレクト業態店舗でリモワ(RIMOWA)のスーツケースを8個まとめ買いしていく訪日客がいたほか、ニューバランス(New Balance)などの認知が高いブランドとの別注品が好まれる傾向にある。またスポーツを軸にした東銀座の「アンルート(EN ROUTE)」は、訪日客が銀座を観光する際のショッピングルートに入っているという。