今年、ヨーロッパGPとして開催されるアゼルバイジャン初のF1レース。しかし、記念のイベントを目の前にして、早くも開催を危ぶむ声が挙がっている。
東ヨーロッパと西アジアが接するアゼルバイジャンの首都バクーでのF1グランプリ。レースは、カスピ海に面したティルケデザインのストリートコースで、カナダGPの翌週6月19日(日)にシーズン第8戦として開催される。
しかし、現在アゼルバイジャンの経済は原油価格の下落により大きなダメージを受けているという。
「アゼルバイジャンは産油国だ」と、大統領顧問のアリ・ハサノフが語ったと、Motorsport.comが伝えている。
「石油と石油製品の価格は2015年のはじめに比べ、3分の1にまで減った。これはアゼルバイジャンの収益が3分の1になったということだ」
価格は、年明けからの21日間でさらに25パーセントも下がっており、通貨の価値も30パーセント下落。中央銀行の準備金も3ヶ月以内に尽きると予想するものもいる。
ブラジルのUOLによれば、当局の一部関係者はグランプリの中止を迫っているという。
「彼らは予算をカットしなければならない。通貨は1バレル50ドルが基準だが、現在は1バレルが27ドルにも満たない。従って、資金を節約するにはF1と(2017年の)イスラミックゲームを中止することだ」
しかし、主催者側はそうした懸念を否定、影響はないと語っている。
「マナト(通貨)の切り下げはアゼルバイジャン初のF1開催には影響を及ぼさない」と、バクー・シティ・サーキットのスポークスマンが語っている。
「実際、ヨーロッパGPの予算可決時は米ドルでの算出なので、イベントの予算変更は少しも望んでいない」
スポークスマンは、F1開催が経済の浪費になるよりはむしろ経済の後押しになると考えている。