FIAのジャン・トッド会長は、コクピットの安全性に関して、これ以上の変更が出ないと確認された時点で最終案を見直すと語った。
昨年10月、FIAはコクピット保護のための3つのソリューションを評価中であることを明らかにし、11月にテストを行った。FIAは最終的に採用される設計案がどのような形になるにせよ、承認を受け、かつ安全要求事項すべてを確実に満たしたものにするため、評価を続けているという。
F1コクピットを保護するための構造には、ドライバーの視界を遮ったり、事故の際に脱出の妨げになるのではないかとの懸念がある。
トッドは英国オートスポーツに対し「我々は大いに努力をしてきたが、モータースポーツが危険な競技であることに変わりはない。安全面を改善するために取るべき手段があるならばそうするが、それ以外の結論がないことを確認しなければならない。新たなレギュレーションを施行する際には、どのような問題点があるかについても明確な見通しを持つべきだ」
「この件については専門家に任せており、成果が変更に値するものか、それとも現状維持すべきかを我々が判断する。ドライバー保護には様々な方法があるが、弊害がないことが確実でなければならない。この点も専門家に託してある。専任の部門があり、私が完璧に信頼を置く人物たちで構成されていて、私は最終的な成果が出たときに確認することになる」
FIAは近年、特にジュール・ビアンキとジャスティン・ウイルソンを死に至らしめた事故のあと、多くの時間とリソースを割いて「クローズド・コクピット」案の研究を進めている。
最近あがった代替案としては、より強度の高いホイールテザーを導入し、事故の際にパーツが宙に舞うのを防ぐというものがある。1990年代後半に導入されたテザーは効果が証明されているが、まだ改善の余地があるとの見解にもとづくものだ。
「我々が成し遂げたいのは、安全性の向上だ。すでに問題提起はしている。あとは、どのようなソリューションが出てくるかだ」