FIAとF1パワーユニットマニュファクチャラーは、パワーユニットのコストと供給の問題への対策法に関して合意に達した。これにより現在の1.6リッターV6ターボハイブリッドシステムを少なくとも2020年までは継続することが保証され、FIAが提案したインディペンデントエンジン導入プランは完全に消滅したものと考えられている。
2014年に導入されたパワーユニットのカスタマーチームに対する価格が年間2,000~2,500万ユーロ(約25億6500万円~32億600万円)と非常に高額であること、チームへの供給が保証されていないことを懸念し、これらの問題の解決を望むFIAは、15日までに対策案を提出するよう、パワーユニットマニュファクチャラーに求めた。その後、18日にはストラテジーグループ、19日にはF1コミッションの会合を行い、提案について協議した。
FIAから正式な発表は行われていないものの、マニュファクチャラーの提案はFIAの要求を満たすものであり、合意に達したと考えられている。
メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダの4社は、パワーユニットの供給価格を1シーズン1チームあたり1,200万ユーロ(約15億3,900万円)に引き下げることで合意した。
また彼らは全チームにパワーユニットを供給することを保証する。昨年、ルノーから他のパワーユニットメーカーにスイッチしようと試みたレッドブルがことごとく拒否されたことから、FIAはチームへのパワーユニット供給が保証されていないことを問題視していた。
新規則は3月の世界モータースポーツ評議会会合で承認を受け、2018年に導入される見込みだ。
FIA側は、満足いく解決法が提示されなければ、別仕様の安価なカスタマーエンジンを導入するという意向を示していた。しかし今回マニュファクチャラー側が譲歩したことと引き換えに、1.6リッターV6ターボハイブリッドシステムの規則は少なくとも2020年末までは維持されることになり、別仕様エンジンの導入はなくなった。
マニュファクチャラーは価格引き下げを実現するため、スタンダードパーツの導入を行うとともに、ドライバーが1シーズンに使用できるギヤボックスの数を3基に制限する見込みだ。現在の規則では、各ドライバーは6戦連続で同じギヤボックスを使用しなければならず、途中で交換した場合、グリッド降格のペナルティを受ける。今年のレース開催数はF1史上最多の21戦におよぶ。
また、Sky Sportsは、今回の会合でレース中の給油復活案は却下されたと伝えている。