ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーが、タイヤ規則変更の影響で2016年の特に序盤戦はドライバーごとにさまざまなタイヤ選択が行われ、それによって驚きの結果が見られるかもしれないと期待している。
2016年、F1タイヤ規則は大幅に変わり、5つめのコンパウンド、“ウルトラソフト”が導入されると共に、1グランプリにセレクトされるコンパウンドは3種類に増え、チームのタイヤ選択の自由度も高められる。
ピレリは決勝用2セット、予選Q3用1セットのコンパウンドを指定、残りの10セットはドライバーごとに選択できる。
ヘンベリーは、中位チームが好結果を出すために冒険し、それが功を奏して驚きの結果が生まれるかもしれないとして、タイヤのデグラデーションが大きかった2012年、2013年ごろのような波乱を期待していると語った。
「各チームがレースごとにコンパウンドを選択できるというのは興味深い変更点だ。序盤戦は何種類かのパターンに分かれ、何種類かの戦略に分かれることになるはずだ」とヘンベリーはCrash.netに対して語った。
「シーズンが進行するにつれて状況は多少正常化していくだろう。チームは他チームの状況を知るようになり、パフォーマンスが近いチーム同士で相手をうまくカバーするようになってくる」
「それでも2012年と2013年ごろのようになることを期待している。当時、フォース・インディア、ロータス、ザウバーはマシンごとに異なるアプローチを取って戦略を分け、それによって予選ポジションを上まわる結果を出すことがあった。こうなることが狙いだ。何チームかがドライバーごとに戦略を分けることになれば喜ばしい」
「チームの選択を我々がいつ見ることができるのかは分からない。FIAが発表することになっている。だが私としては何種類かに選択が分かれているものと確信している。そこから何か驚きの要素が生まれるだろう」
ピレリはすでに第4戦ロシアGPまでのタイヤ選択を発表している。開幕戦オーストラリアGPに関しては、レッド・スーパーソフト、イエロー・ソフト、ホワイト・ミディアムが選ばれた。予選Q3用の1セットはスーパーソフト、決勝用2セットはミディアムとソフト。残りの10セットに関してはドライバーごとに選択することができる。