マクラーレンは「サイズ・ゼロ」のコンセプトを今後も続けていくと認め、レーシングディレクターのエリック・ブーリエは昨年これを採用したことに後悔はないと主張している。
マクラーレンは、ホンダがF1復帰のために開発したパワーユニットが搭載されるMP4-30のリヤ部分に、挑戦的な空力パッケージを選択。この選択が2015年のマクラーレン・ホンダにトラブルをもたらし、苦難の一因になったとの見方がある。
しかしブーリエは、マクラーレンはメルセデスやフェラーリといったライバルたちとの差を埋めるために、何か違うことを試す必要があったと述べ、2016年シーズンも同様の哲学を継続していく予定だ。
ブーリエは英国オートスポーツに対し「まったく後悔はない。勝ちたければ他の真似はしないことだ。他よりも、良いことをする必要がある。こんな気持ちになるとは思っていなかったが、苦痛のシーズンを過ごすことになることはわかっていた。だが現在、優勢の勢力が持つソリューションを上回るだけの何かに取り組まなければならないことも知っていた」と語った。
「サイズ・ゼロ」を2016年も継続する決断が正しい道筋であるとチームも信じているかと聞かれると、ブーリエは「もちろんだ」と即答。
マクラーレンの空力部門はピーター・プロドロモウとギヨーム・カテラーニがタッグを組んで率いる体勢にあり、ブーリエは将来的に進化を遂げると考えている。レッドブルから移籍したプロドロモウの影響は、2015年シーズン後半から見て取れるようになった。
「ピート(プロドロモウ)の影響が大きかったのは、新しい哲学を持ち込んだところで、理解の方法と空力の構築に新鮮な風を吹き込んだ。これは大きな前進だった。人事に変更もあった。ピートがトップとなり何人かのスタッフを移動させたところ、うまく機能し、どんどんマシンも改善していったので非常に満足している」
「5年前のF1では自由に開発ができたが、現在そうではないことを忘れてはならない。より多くの制約があり、制約があるということは追いつくのが難しいということで、それでも我々は差を詰めていかなくてはならない。(2016年の)マシンは、すでに改善されているから、我々はさらなる一歩を踏み出そうとしているところだ」と、2016年のマクラーレン・ホンダは改革による上昇が期待できるとの予測を示した。