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佐藤琢磨も登場。東京オートサロンで鈴鹿の新EVアトラクションを公開

2016年01月18日 16:41  AUTOSPORT web

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Circuit Challenger記者発表会に出席した佐藤琢磨
1月15日~17日まで幕張メッセで開催された東京オートサロンの会場で、鈴鹿サーキットの新アトラクション“Circuit Challenger”に使用される新マシンが報道陣に向けて公開され、同マシンの開発に関わった佐藤琢磨がその“こだわり”を披露すると共に、報道陣を対象とした体験試乗会が行われた。

 これまで鈴鹿サーキットには、F1日本GPなどのビッグレースが開催される国際レーシングコースを走ることができる“サーキットカート”というアトラクションがあり、永く高い人気を誇っていた。しかし、15年ぶりにリニューアルされることが決定し、昨年末に営業が終了。このサーキットカートに代わり、時代の最先端を行くEVマシンで本コースを走ることができる“Circuit Challenger”が、今年の3月に登場することになっている。

 Circuit Challengerで使われるマシンは、前述の通り完全なるEVマシン。しかし、現役レーシングドライバーである佐藤琢磨が監修したとあって、そのこだわりようは半端ではない。

「一切妥協してないですよ。そして、それに応えてくれる技術者もいましたから」

 そう語る佐藤琢磨。では、具体的にはどんな点に“こだわった”のだろうか?

 このCircuit Challengerは、小学3年生以上であれば、自分で運転することができる。そのため、ドライブが容易であることが大前提だ。そこで、“ペダルに足が届かない”という状況を避けるため、Circuit Challengerからはペダル類を一切排除。ステアリングに設けられたアクセル/ブレーキのパドルによって、加減速をコントロールするようになっている。また、サーキットカートは、ステアリング操作が非常に重かったが、非力な小さいお子様でもコントロールできるよう、徹底的に“軽さ”を重視した。

 そして、もっとも魅力的なのは、ギヤチェンジできるという点だろう。ステアリングにアップ/ダウンのシフトチェンジボタンが配されていて、4段変速式になっているのだ。ただ、実際に機械的なギヤチェンジが行われているわけではなく、あくまでも電気的なコントロールによって、感覚を味わうことのできる“擬似的な”変速。佐藤琢磨曰く「EVということで動力系が非常にシンプルになり、ギヤボックス体験ができるようになった」という。

 しかもこのギヤチェンジは、ただ速度が変わるだけではないと、佐藤琢磨は言う。

「しっかりとパワーバンドに入れた状況でギヤを変更しないと、速く走ることができないように設定されています。例えば上り坂では、ダウンシフトしなければちゃんと走れない。レーシングドライバーが、常にパワーバンドに入れて走っているのを、体感できるようになっています」

 つまり、実際のギヤボックス同様の操作をしなければ、マシンを上手くコントロールできないのだ。動かすこと自体はとても簡単だが、しっかり走らせるのは難しい……それが、Circuit Challengerなのである。なお、営業が始まると、これらのマシン操作がデータとして記録され、挑戦者の走行が採点されるという。

「1回走っただけじゃ、絶対に満点は出ないと思います。大人がやっても出ない。だから、何度もチャレンジして欲しいですね。チャレンジすることの楽しさを、カートを使って味わってほしい。そして、色々な名勝負が生まれた鈴鹿を、体感して欲しいですね」

 採点内容については、現在設定を行っている最中ではあるものの、ギヤチェンジ、アクセルコントロール、ステアリングコントロールなどの課題をどのくらいクリアできたかによって、C、B、A、Sのランクが与えられるという。

「ミッション設定が完了したら、僕も挑戦したいと思っています。レーシングドライバーとしての血が騒ぎますね」と佐藤琢磨は言う。

 F1と同じコースを走ることができる最新のEVアトラクション“Circuit Challenger”は、3月19日(土)に営業開始予定となっている。