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ルノーF1、ワークスチーム首脳に“王座請負人”を登用へ

2016年01月17日 14:11  AUTOSPORT web

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ルノーの新ワークスチームの全貌は、いまだ見えてこない
ルノーはARTグランプリの代表であるフレデリック・バスールを、新生ワークスチームのレーシングディレクターに起用すると英国オートスポーツが報じている。

 昨年12月にルノーはロータスの株式の過半数を取得し、2016年シーズンからはF1へワークスチームとして参入することが決定している。チーム内における構造改革の一端として、ルノーはマクラーレンやメルセデスの例にならい、チーム代表の役職を省く形となった。

 情報元によると、新チームの経営陣はスポーツ面だけではなく、商業面や政治面の役割を担うポジションになる。レーシングディレクターの役職は、そのために設けられたもので、チームのスポンサーに関する事項を一手に引き受けることになる。バスールは理想的な候補者と見られており、まもなく話し合いが完了するという。

 バスールは過去10年間、ARTでGP2を主戦場に多くの成果を上げた。同チームはルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテル、バルテリ・ボッタス、ジュール・ビアンキといった才能ある若手を育成、輩出してきた。昨シーズンはARTのチャンピオンリストに、ストフェル・バンドーンが加わり、バンドーンは今季からマクラーレンのリザーブドライバーを務めることが決まっている。

 また、バスールはフォーミュラEマシンを手がけるスパーク・レーシング・テクノロジーの経営者であり、エンジニアリング企業 AOTech の共同設立者でもある。

 ルノーは2010年から2013年にかけて、レッドブルを4年連続でドライバーおよびコンストラクターズチャンピオンに導いた立役者でもある。もう一度マニュファクチャラーとしてF1に復帰するルノーにとって、F1界では新米だとはいえ、バスールの経験は大きな価値がある。

 ニック・チェスターはテクニカルディレクターの職を継続、バスールともに仕事にあたるようだ。ルノースポールF1マネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールはファクトリーのCEOに就任する予定で、エンジン関連に取り組んでいく。

 前ロータスのオーナーであるジェラール・ロペスは現在もチーム株式を持ち、取締役のポジションを維持しており、今後は商業権を保有するCVCやバーニー・エクレストンとの交渉を担当する。

 いまだ正式発表はないが、F1で4度のチャンピオンに輝いたアラン・プロストはアンバサダーに就任する見込み。これだけ幅広い人材がいれば、チーム代表の役職は不要であるというのが、ルノーの考えだ。

 ロペスとアビテブール以外の取締役メンバーとしては、ルノーグループの金融ディレクターを務めるティエリー・コニエ、ルノーCEOのカルロス・ゴーン、ルノースポールF1代表のジェローム・ストール、いずれかの会長就任が予想されている。