ダカールラリーは14日、ラ・リオハ~サン・ファン間712km(SS距離431km)のデイ12(第11ステージ)が行われ、ナッサー・アル-アティヤー(ミニ・オール4レーシング)が2度目のステージ優勝を飾ったが、総合首位の座はステファン・ペテランセル(プジョー2008DKR16)が守った。
大会も残り3日となった2016年のダカール。SS距離431kmという後半戦山場のロングステージは、早朝のコースチェックで路面コンディションの悪さが指摘され、1時間遅れでのスタートとなった。前日、総合首位に浮上し、ライバルに1時間のマージンを築いたペテランセルは、通算12回目の総合優勝を意識してかステージ後半は安全を重視した走りに徹し、トップのアル-アティヤーから約8分遅れのステージ4位でフィニッシュ。リードタイムも約52分と安全圏を維持し、総合優勝をさらにたぐり寄せた。
「今日は非常にストレスを感じる1日だった」と、ペテランセルはステージを振り返っている。
「今朝は順調なスタートを切って、うまくナビゲーションするよう心がけたが容易ではなかった。でも、クルマに気を配りながら走り、トランスミッシュンなどに負荷を与えないよう慎重を期した。気を緩めることなどできなかったから、安全モードでいくよう集中し切った」
「終盤はコースが本当に狭く、迷路のようだった。でも最終的にはゴールできて良かった」
「たとえ10分や2分、1時間のリードがあったとしても、ひとたび技術的に大きな問題が起きれば止まってしまうし、総合優勝の夢も潰えてしまうからね」
一方、逆転優勝を狙う総合2番手のアル-アティヤーは、ドライブシャフトの損傷でステージ終盤は2駆での走行を強いられたが、ダメージを最小限に留めるばかりか、ステージ2位のセバスチャン・ローブ(プジョー2008DKR16)に5分の差をつけ、今大会2度目のステージ優勝を奪った。
2キロでドライブシャフトを破損したローブは、直前にチームメイトのシリル・デプレ(プジョー2008DKR16)を追い越していたため、運良く牽引のサポートを受けて無事にゴールへたどり着き、総合順位も前日の9位を守っている。
ジニール・ドゥビィリエ(トヨタ・ハイラックス)とミッコ・ヒルボネン(ミニ・オール4レーシング)の総合3番手争いは、依然としてドゥビィリエがリードを守っているが、3番手のステージタイムを記録したヒルボネンがその差を約5分まで縮めている。
四輪市販車部門での3連覇に挑む日本のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、前日にクラス首位へ浮上したニコラ・ジボン/ジャン・ピエール・ギャルサン組がステージの中間地点を前に岩にヒットして横転するアクシデントがあったが、幸いふたりに怪我はなく、ペースを抑えながらも無事にゴール。タイムもクラス3番手、総合ではクラス首位の座を守った。一方、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組は終盤のチェックポイントを前に原因不明のエンジンストップに見舞われ、最後は牽引されてゴールへたどり着くこととなった。(順位は確認中)
トラッククラスの日野チーム・スガワラ勢は、菅原照仁/杉浦博之組519号車が総合14番手、菅原義正/高橋貢組528号車は総合31番手につけている。
デイ13はサンフアン~ビージャ・カルロス・パス間931km(SS距離481km)が行われる予定。ダカールラリー2016のデイ12ハイライトはJ SPORTS 3で22時~22時30分に放送される予定だ。