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ミッツ・マングローブ 自身を中森明菜と思いこんでいた過去

2016年01月15日 11:10  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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1月10日より公演中の舞台『DNA―SHARAKU』。出演者のミッツ・マングローブは、この作品で初めてミュージカル劇に挑戦している。 子どものころはずっと、自身を“中森明菜だ”と思い、鏡に映る自分をなかったことにして生きていたのだという。 「妄想がすごく好きで、ちょっと危ない子でしたね。妄想が現実の意識の中で幅をきかせちゃうと、自宅にかかってきた電話を“中森です”と答えてしまうような。普段は賢いと思われているタイプだったし、自分もそうでなければダメだったので、母親とか友達の反応で度を越えているなと気づくと、ヤバいと思って元に戻っていました。 大人になってからは同じような目線で明菜ちゃんを見てきた人たちと出会えて。今はリハビリをするような感覚で、客観的に見られるようになりましたね。明菜ちゃんとはいまだに30%くらい、共存の感覚がありますけど」 他人と自分を切り離せない気質があるいっぽう、現場ではひとりで過ごすタイプ。 「今回も特に誰とも仲よくしていない(笑い)。現場は和気あいあいとしていますけど。どの仕事でも、私にとってはごく自然なことなの。それが周りの人にとって当たり前の感じになるまで、時間がかかるともわかっている。今回のように集団で長期間いることもあんまりないですけどね」 常に冷静で、どこでもマイペースさを失わない。しかし、2016年の目標を尋ねると、思わず動揺が。 「そういうのいっさいないんだけど何にしたらいいと思います? 毎年、困るんですよ」 なにやら例年、これにちなんだ儀式が実家であるという。 「昔から元日は、父親へ1年の計を発表しなければならないんです。言えないとご飯を食べちゃいけないから、小さいころはよく泣いていました。12月くらいから母親に考えておきなさいと言われたのを、いま思い出しましたね」 ちなみに昨年の目標は、40歳を迎える年ということもあり、あえて“普通のことをする”だった。 「15年ぶりくらいにパスポートを取って海外旅行もしたの。だけど温水洗浄便座がないとダメだと気づいて。目標とかを考え出すと、なんて自分はつまらない人間だろうと落ち込むんですよ」 確かにそうとう憂うつな様子。しばしの沈黙の後、ゆっくりとこう口を開いた。 「ほかの人は目標を立てるときに何かしらとっかかりがあるのよね。そういった意味では、私は安心感かな。安心感を得るためには、仕事をして、お金がなんとなくあって、健康でいれば大丈夫。今ある現状を維持できるという感じにもなりますね。後はもう、私は答えが出せないので、おまかせします!」 舞台『DNA-SHARAKU』 人工知能が支配する未来のTOKYO。政府から謎の絵師・東洲斎写楽を抹消するために江戸時代に送り込まれた2人の青年(ナオト・インティライミ/小関裕太)が“創造する心”の大切さに気づき……。1月24日まで東京・新国立劇場で公演。1月28日~31日は大阪のシアターBRAVA!。2月6日と7日は福岡のキャナルシティ劇場で。 撮影/引地信彦