男だけの飲み会で常に笑いっぱなしになることは少なく、どんなにふざけていても何かしら真面目になって語りあうような時間がある。
実際の研究でも、女性よりも男性の方が笑わないということが分かっているようだ。写真では、男の子や男性よりも女の子や女性のほうが、撮られるときに微笑んでいることを示すデータが取られ、社会心理学者は、笑顔が女性の標準の表情である一方で、男性は無表情が通常の表情であるとみなしている。
■男が笑わないのは骨格的な理由か?では、なぜ男の方が笑わないのか? ジェンダーの研究者であるイェール大学教授のマリアン・フランシス氏による
『微笑みのたくらみ』(中村真/翻訳、化学同人/刊)によれば、笑顔を形づくる主要な筋肉である大頬骨筋が女性の方が統計的に太いそうだ。
また、笑顔に対する期待も見逃してはいけない。アメリカの男の子たちは「クール」であることが要求され、女の子はさまざま感情を顔に表すことを求められる。女性の自然な微笑みは「エチケット」ともいえるのだ。
■男の笑顔には下心があり?でも、いくら男が笑わないといっても、すばらしい笑顔の持ち主はいる。では、男性の笑顔にはどんな意味があるのだろうか。いくつかの例が示されているなかで興味深いものをピックアップすると、特に性的指向性の強い(ようはセックスしたがりの)男性は、魅力的な女性に対して多くの笑顔を示したという人格心理学者の実験があるという。笑顔の裏に下心あり、ということか。
何気ない笑顔でも、そこには多様な意味が込められている。この本を読み終わったときに、周囲の人たちの笑顔はどのように映ることになるのだろうか…? 笑顔を科学的に分析すると意外な結果が見えてくるだろう。
(新刊JP編集部)