麻生財務大臣は1月4日、衆参両院の本会議で財政演説を行い、「(日本経済は)デフレ不況から脱却しつつあります。今こそ少子高齢化という構造的課題に取り組まなければなりません」と述べた。
平成27年度の補正予算案およそ1兆1600億円には、所得の低い高齢者に対する現金3万円の支給や、親の助けを借りながら出産や子育てができる3世代同居を進める住宅建築費の補助、地域活性化に意欲的に取り組む自治体への交付金などが含まれている。
結局は自助努力の勧め? 個人の処世術が大事な時代に
政府が様々な対策を打ち出すが、識者はやや冷ややかだ。経営コンサルタントの梅澤高明氏(A.T.カーニー日本法人会長)は1月4日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で、政府が掲げる「一億総活躍社会」の実現策をこう提言した。
「人生、二毛作・三毛作の社会に転換することです。人生で二つ、三つのキャリアを持つことですね。定年してから急に言われても多分無理なので、壮年のうちから準備することが大事です」
梅澤氏はさらに、準備のための「二足のわらじ」を勧める。会社員として働きながら起業の準備をする、といったことだ。大江麻理子キャスターが「そのためには副業ができる環境でないといけませんね」と問いかけると、「副業禁止規定を企業は廃止すべきだと思います」とコメントをつけ加えた。
確かに現在の現役世代が高齢になったとき、手厚い社会保障を受けられるとは考えられない。国をあてにするより「個人としてどう生きるべきか」という処世術を確立する方が大事であり、年齢を重ねても活躍し続けられる自分であれということだろう。「一億総活躍」とは、結局は自助努力の勧めなのかもしれない。(ライター:okei)
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