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THE ORAL CIGARETTES、完全復活!「時間があるかぎり、あなたたちに歌を届けたい」

2016年01月06日 19:11  リアルサウンド

リアルサウンド

THE ORAL CIGARETTES(撮影=Viola Kam (V'z Twinkle))

 THE ORAL CIGARETTESが1月4日、ZeppDiverCityで『THE ORAL CIGARETTES 唇リベンジワンマン ~復活・返上・BKW!! の巻~』を開催した。


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 同バンドは、2015年6月からの『唇ワンマン JAPAN TOUR 2015 ~おまたせBKW!! 9カ所行脚でエリア拡大、改めまして「ジ」オーラルシガレッツです!の巻~』ツアー途中の7月14日ZeppDiverCity公演で、山中拓也(Vo/Gt)の喉の不調により一時中断するアクシデントに見舞われた。ライブは内容を変更しながら最後までやり遂げられたが、本公演は山中の復活記念と、完全なパフォーマンスを行うことができなかった7月14日の“リベンジ”として、1部の“リベンジSET”と2部の“IXI SET”で構成されたライブとなった。


 開演前の会場は、THE ORAL CIGARETTESの合言葉“BKW”(番狂わせ)と背中に記されたTシャツを着た多くのファンの熱気が充満。登場前にスクリーンに映し出されたのは、ライブを一時中断した7月14日の様子だ。山中がステージ裏で倒れ込む場面や、ステージ上で「また次ここに戻ってくる時、全力で歌いますから、その時まで待っててください」と宣言した場面が映し出されると、いよいよ彼らの“リベンジ”が始まった。


 ドラム音のSEに合わせて手拍子が始まると、暗闇に赤のライトが光り、メンバーが登場した。冒頭の挨拶から「GET BACK」の演奏がスタートすると、すでに会場にいる全員が手を上げた光景が広がっている。「モンスターエフェクト」では、山中の「声を聞かせて」との呼びかけに「オイ!オイ!」コールが巻きおこると、それに応えるようにメンバーも頭を振りながら激しい演奏を披露した。続く「ハロウィンの余韻」では、「trick or treat」の掛け声や、山中のビブラートのきいた伸びやかな歌声が会場全体に響き渡った。


 ミラーボールに照らされながら「N.I.R.A」の披露を終えると、山中は「先いっぺん言わして、ホンマここに集まってくれてありがとう」と、この日を迎えた喜びを語る。「よーお!」の掛け声でスタートした曲は「踊り狂う人形」。ソロパートではあきらかにあきら(Ba)と鈴木重伸(Gt)が交互に照らされながら、両者のセッションが交わされた。「嫌い」「透明な雨宿り」を立て続けに披露するとサイレンが鳴り、突如「キラーチューン祭り」とのアナウンスが。歓声が沸き起こる中、続けて「STARGET」「mist…」を披露、観客のシンガロングに山中は「170点あげるわ」と、喜びの表情を見せた。


 MCのあとは、山中がマイクを握り、ステージ上を踊りまわりながら「カンタンナコト」を披露。すると突然照明が消え、あきらかにあきらの「ものまねリベンジタイム」からアコースティックセットへとステージが転換していく。メンバー全員が椅子に腰掛けて「机上の空論に意味を為す」「出会い街」を、やわらかな灯りに包まれながら披露した。鈴木はMCで、活動を休止していた2カ月間を振り返り、「今日リベンジ終わらないと、俺ら2016年迎えられない」と語った。


 中西雅哉(Dr)のドラムソロからの「俺の顔~」という呼びかけに、「32歳童顔ー!」と一斉に観客が応えると、それを合図に「32歳童顔」を披露。その後、“キラーチューン祭り”の続きが「大魔王参上」で幕を開けると、「Mr.ファントム」「起死回生STORY」と勢いは続く。観客の踊り狂う光景に負けじと、ステージ上のあきらかにあきらも、高々と足を上げるパフォーマンスで会場を沸かす。そして“リベンジSET”の最後は、「エイミー」を披露。山中は「時間があるかぎり、あなたたちに歌を届けたいんですよ。いつ声なくなるか分かんないからさ、あるうちに」と、歌の終わりを惜しむように歌いあげた。


 10分の休憩を挟み、暗闇にライトが飛び交う中、山中が「オーラル第2章始めます」とステージに再び登場。1曲目の「狂乱 Hey Kids!!」では、レーザーによる演出も。パワーアップした彼らを象徴するかのような、第2部の幕開けとなった。


 山中の「2016年になりました。攻めっ攻めのオーラル堪能してってください」という呼びかけから「MIRROR」「STAY ONE」「気づけよBaby」と楽曲が続き、ステージ前方から金テープが飛び出し、それを手に持った観客により会場全体がカラフルにきらめいた「A-E-U-I」へ。山中は「7月14日という大事な日があったから書けた歌詞です」と前置きして「Everything」を披露、本編の幕を閉じた。


 アンコールでは、山中が「目の前のお客さんを踊らせたらいい、なんて思ってないし、『オーラルの音楽好き』って言ってもらえるように、感情を一緒に共有できる場であったら嬉しいなと思っています」と語り、「LIPS」を笑顔溢れる演奏で締めくくった。


 山中は、7月14日のライブの時のことを「裏に行ってからの記憶がほとんどありません。うちのマネージャーが『今回の件で、お客さんが0になるかもしれへん。0からでいいやん。やり直そうや』って。0じゃなくて即完した時は、ホンマに嬉しかったです」と語っていたが、今回リベンジ以上の成果をみせたことは、間違いない。1部の“リベンジSET”を無事終えたことでようやく彼らも2015年の活動を終え、アルバム『FIXION』の完成とともに2016年へと進むことができたのではないだろうか。今後も対バンツアー、ワンマンツアー、地元・奈良でのワンマン等、数々のライブが控えている。完全復活を果たした彼らが、ロックシーンに切り込んでいく姿から、ますます目が離せない。(大和田茉椰)