15年間に渡り在籍したシトロエンを離れ、今シーズンから姉妹ブランドのプジョーへ加入したセバスチャン・ローブは、シトロエンが「ドアを閉じる前」に2016年の世界ラリー選手権(WRC)へスポット参戦することを検討していたと明かした。ローブは昨年、WRCモンテカルロにスポット参戦。クラッシュにより後退するまで優勝争いを繰り広げている。
シトロエンのエースとしてWRCに参戦し、152戦78勝という抜群の勝率で前人未到の9度のチャンピオンを獲得したローブ。2014年からは戦いの場を世界ツーリングカー選手権(WTCC)に移し、昨年はシリーズ4勝、ランキング3位を獲得している。
2016年に向けて、ローブはシトロエンからWTCCへ継続参戦するとともに、2017年のWRCへ向けチームが開発を進めているシトロエンC3 WRCの開発に携わるものとみられていたが、最終的にローブはプジョーと契約。1月2日に開幕したダカールラリー2016へ初挑戦している。
英AUTOSPORT.comに対し、ローブはシトロエンのマシン開発補助だけでなくWRC数戦へのスポット参戦も検討していたことを明かしている。
「どちらにせよ、ダカールとの兼ね合いを考えると(WRC開幕戦)モンテへ参戦するのは難しかったけれどね」とローブ。
「今の時点でWRCにスポット参戦したいと言うのは簡単だ。しかし、それが実現できるかどうかを話し合う前に決断が下されてしまったんだ。もしシトロエンが望んでいれば、僕は2016年シーズンの1戦か2戦に参戦していたよ」
また、プジョーとフルタイム契約を結んだことで、古巣のシトロエンと手を結ぶことは難しくなったとも述べている。
「現在はプジョーとフルタイムの契約を結んでいる。この契約がシトロエンと組んで何かをする際に障害となってくると思う。現実的に考えると、ラリーカーで何かをするのは難しいだろうね。シトロエンには僕をWRCに参戦させるチャンスがあった。しかし、自分たちでドアを閉めてしまったんだ」
「もう一度フルシーズン戦いたいとは思っていない。ただ、マシン開発には貢献できると思っているし、スポット参戦でもチームにいい結果をもたらすことができるとは考えているんだ」