トップへ

田中聖(KOKI)率いるINKT、“第二章”幕開けのツアーファイナル メンバーkissy脱退発表も

2016年01月06日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

INKT

 元KAT-TUNの田中聖(KOKI)率いるINKTが1月4日、『Re:birth of INKT TOUR FINAL』を渋谷CLUB QUATTROで開催した。本公演を含むツアーは、2015年12月5日HEAVEN'S ROCKさいたま新都心から全国8会場で行われ、今回ファイナルを迎えた。


(関連:INKT率いる田中聖(KOKI)、バンド活動への決意を語る「ポジティブな意味で、一寸先は闇!」


 開演時間ちょうどに、電子音のSEでメンバーがステージに登場。kissy(Key)のピアノの旋律が美しい「Fight For Freedom」からライブはスタートした。KOKI(Vo)は出だしから「ラストだぜー!最後まで盛り上がっていこうよ!」と煽り、間奏ではステージ上下で激しいヘッドバンギングが繰り広げられた。「45」や「FTW」では、自由にそれぞれのスタイルで演奏を楽しむメンバーの姿が。KOKIはもちろん、Kei(Gt)とmACKAz(Ba)のポジションチェンジなど、楽器隊もステージ上を自由に動き回る。さまざまなジャンルのメンバーが集結し、あらゆる音楽をミックスすることを得意とした彼らの自由度を感じるパフォーマンスだ。


 新年の挨拶を挟み、新曲を披露。同曲は、KOKIが「今までのINKTにない曲」と表現したように、彼らには珍しいシンセのフレーズが懐かしさを感じさせるダンスナンバーだ。その後、コールアンドレスポンスの「A Whole New World」から、mACKAzの担当コーナーに移ると、水前寺清子「三百六十五歩のマーチ」の合唱や「渋谷!」「クアトロ!」といった観客との掛け合いが行われ、KOKIの「お待ちかねの『Shangri-La!』」の一声で場内は一気にパーティーモード。キーボードのkissyもステージ前方に姿を見せ、会場を盛り上げた。


 「ケータイ壊したり、落とした財布が見つかったり、いろいろ事件があったツアーでした。高田馬場AREAでのSCREWとの対バンの時は職質されたし。ライブに間に合ったからよかったけど」と、KOKIの自虐的なMCで会場を沸かせた後は、初の試みとなるアコースティックコーナーへ。囁くような歌声が切なく響く「ずっと」、情熱的なアコースティックギターによる「Past&Future」の2曲を披露した。


 幻想的なイントロから始まる「Dreamcatcher」で再びINKTの世界観に引き込むと、「俺らがバンドをはじめてもうすぐ2年。このバンドではじめて合わせた曲を聴いてください」と、タイトル未定曲を披露。続く「The Gift」では、SASSY(Dr)の激しいドラムに後押しされるように、KOKIは前方で手を挙げる観客の片手をつかみ、その腕の力に支えられながら、さらに先にいる観客たちに向けてマイクをかざした。「俺らにとって一番特別な曲。俺らの始まりの曲」とはじまったのは、1stアルバム『INKT』リード曲「Trigger」。「ルールなんてねーから、好きに暴れろ!!」と、KOKIが叫ぶと本編ラスト「サイサリス」へ。轟音の中、KOKIはメンバー全員の名前とバンド名を叫ぶ。“この5人がINKTである”ということをその場に刻むように本編を終了した。


 観客の激しいINKTコールの中、再びメンバーが登場。本公演2曲目の新曲は「いろいろな解釈のできる曲」であるという。遠く離れた人への思いをストレートな言葉で歌うバラードに続き、“新たな道へ向かってただ走れ”というボジティブなメッセージを込めた「Nobody knows」を歌いあげると、KOKIはファン、ライブハウス、スタッフへの感謝や、バンドを続けてきた2年間で感じた様々な思いを吐露しはじめた。「自分は誤解されやすくて。会ったこともないやつに人格否定されたり、俺たちの音楽を聴いたこともないやつに音楽のことを言われたり、むしゃくしゃすることもたくさんあったけど、こうやって集まってくれる人たちがいて、本当に恵まれていると感じます。今日からINKTの第二章、俺らの第二章。後ろ指差されても走り続けるからついてきてくれ! それが俺らにとっていちばんの幸せです」と告げ、渾身の「Wanderlust」を披露した。


 この日何度もKOKIが発した「第二章」というワード。それは、本公演をもってキーボードのkissyが脱退することを意味していた。最後にkissyは「新たな環境で音楽に挑戦していきたい」とコメント。突然のできごとに動揺を隠せないファンに対し、KOKIは「音楽を辞めるわけじゃない。突然のことだけど、コイツ(kissy)は末っ子だからしょうがない。みんなで応援してやろう! いつまでもこの5人でINKTだと思ってる。笑って送り出してやろうぜ! これがINKTのライブだ!」とはなむけの言葉を送り、改めて「Trigger」を披露。5人体制最後のライブは、バンド仲間を越えた音楽仲間としての絆を深め、全員が笑顔で幕を下ろした。


 “INKT第二章”ともいえる新体制でのライブは次々と決定しており、4月からは2マンツアーを開催する。対バンはGacharic Spin、神聖かまってちゃん、Benthamの3組が決定し、今後も追加発表が行われるとのこと。2016年もINKTは立ち止まることなく、ますます新たな挑戦を続けていく。(久蔵千恵)