映画『ロブスター』が、3月5日から東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。
『第68回カンヌ国際映画祭』審査員賞を受賞した同作は、『籠の中の乙女』などの作品を発表しているギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督による新作。独身者はホテルに送られ、45日間以内にパートナーが見つからなければ自ら選んだ動物に姿を変えられて森に放たれる、というルールが定められた世界を舞台に、独り身となって身柄を確保された主人公・デヴィッドの物語を描く。
狂気の日常が潜むホテルから森に逃げ出すが、森に住む独身者たちのルールに反して恋に落ちてしまうデヴィッドを演じるのは、コリン・ファレル。さらにレア・セドゥ、レイチェル・ワイズ、ベン・ウィショー、ジョン・C・ライリーらがキャストに名を連ねている。公開中の予告編では、「独身は罪」「捕まれば動物になって頂きます」といったルールが紹介されているほか、「失敗したら、どんな動物に?」という質問に対して「ロブスター」と答えるデヴィッドの姿などが確認できる。
なおランティモスは同作について「この映画のアイデアはある議論から生まれた。常に人間関係の中にいなければならないとしたら、人はどう感じるか。人間関係を作れない人を他の人はどんなふうに見るか。誰かと一緒にいることができなければ落第者と見なされるのか。誰かと一緒にいるために費やされる期間。恐れ。パートナーになろうとするとついてくる、そのようなありとあらゆることについて話し合った」とコメント。
コリン・ファレルは「この映画に無関心なままでいられる人はいないと思う」、レア・セドゥは「ほとんど新しい言語と新しい物事の見方を提示するような映画よ。映画を見たあと、観客は自分自身に問いかけることになるわ」と語っている。