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【2015ベストコレクション⑦】飛躍する「ファセッタズム」の覚悟と戦い

2015年12月30日 18:32  Fashionsnap.com

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FACETASM 2016年春夏コレクションのファーストルック Image by: Fashionsnap.com
日本を拠点に活動するブランドを対象に、2015年に発表された新作から、特に優れていたコレクションをセレクト。デザイナーの思いや服作りにフォーカスする企画【2015ベストコレクション】第7弾は、落合宏理が手がける「ファセッタズム(FACETASM)」。

【ベストコレクション⑦】ファセッタズムの画像を拡大

 「ファセッタズム」の2015年は飛躍の年だった。大きな一歩となったのは、ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)の選出で初めてミラノで発表したメンズコレクションのショーだろう。後に出展したパリのショールームでは海外の取り引きが増え、少しずつ認知を広げている。そして10月、ホームの東京で発表した2016年春夏ウィメンズコレクションでは、大舞台で得た経験と自信が強いクリエイションに表れ、東京のファッションシーンにも刺激を与えた。
 通常のショーだとスタート時刻になっても席が埋まらないものだが、30分前にほぼ満席になっていたことからも期待度の高さが伺えた。圧迫感のあるランウェイはいつも通りだが、今回は更に狭い。いつものように疾走感のあるランウェイになるのだろうという予想を裏切り、ゆっくりと踏みしめるようにモデルが現れた。違和感が漂うほどに大げさなヘアメイクに負けないインパクトを放ったのがファーストルックだ。細かく切り刻まれたシャツやオーバースカートが、全て細い紐の蝶々結びで繋がれ形作られている。「壊して創る」という手法は危うく儚いが、常に新しさを求めて「戦い続ける」という落合氏の覚悟が宿っていた。
【画像・映像】FACETASM 2016年春夏コレクション【レポート】ファセッタズムが挑んだ "壊して創る"10回目のショー
【年末企画】2015ベストコレクション ①料理のように焼いたり蒸したり「イッセイ ミヤケ」が探求するレシピ ②テアトラが提案する「目的があるデザイン」 ③スポーツ×ファッションを象徴する「ナイキラボ×サカイ」の功績 ④アンダーカバーが25年目に見せた真骨頂 ⑤世界に挑む「マメ」の変化と進化 ⑥ミキオサカベのファッションの本質を問う取り組み