トップへ

A.B.C-Z、Sexy Zone、ジャニーズJr. ……2016年、ジャニーズ若手はどう動く?

2015年12月30日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 2015年ジャニーズ総括の対談企画として、前編(V6躍進、TOKIO国分結婚、KAT-TUN田口脱退、JUMP伊野尾人気……2015年の総括と展望は?)に引き続き、ジャニーズ連載を担当している芸能ライターの佐藤結衣さんと高橋梓さんを迎え、じっくり語っていただきました。後編では、嵐以降のデビュー組に今後期待することや、ジャニーズJr.に関する話題も。ジャニーズは「パフォーマンスを生で体感してほしい」と熱弁するお二人に、その魅力についてもお聞きしました。(編集部)


■嵐以降のデビュー組に期待すること


ーー前編では、嵐に続くグループとして、関西ジャニ∞、Hey! Say! JUMPの名前が挙がりました。嵐以降のグループですが、デビュー順だと、タッキー&翼、NEWS、KAT-TUNといったグループが続きます。


佐藤:こう改めると、王道というよりは少し個性的なグループが多いかもしれません。それぞれが、それぞれのステージで活躍している印象があります。個性的と言えば、もう少し後輩に目を向けると、Kis-My-Ft2の派生ユニット舞祭組とA.B.C-Zの「ジャニーズじゃない感」はすごいですよね(笑)。


高橋:A.B.C-Zはたまにテレビに出ると、いろいろお騒がせしてますが(笑)、舞台での活躍は素晴らしいんですよ。橋本良亮さんは、ドラマ『BAD BOYS J』(日本テレビ系・2013年)で見せたように、ドラマ向きの演技も得意で。ドラマでも今後活躍してほしいです。


佐藤:橋本さんの演技は私も好きですね。年齢的にも若く、伸びしろが期待できます。


高橋:年齢が若くてもフレッシュさがないのがやや欠点ではあって。ジャニーズJr.で活躍してからデビューする流れが多くなってきているので、ファンからすると、デビュー組に新鮮さがないのが、最近のジャニーズの傾向でもありますよね。


佐藤:それはあると思います。そういう意味でいうと、もっとSexy Zoneにもがんばってほしいです。個人的にマリウス葉さんに突破口を見出してほしいと思っていて。ドイツ人のハーフ、母親が宝塚スターという新たなジャンルの存在感があるじゃないですか。


高橋:もはや、マリウス“様”的存在感がありますよね。バラエティでも活躍していますし。


佐藤:あとは、中島健人さんにもう一度『ラブホリ枠』で活躍してもらいたい。


高橋:あれは素晴らしかった。『JMK 中島健人ラブホリ王子様』(日本テレビ系・2013年)という、中島さんがカメラを彼女に見立てて甘い一人芝居をする番組があったんですが、私、毎週見て、中島さんと会話してましたもん(笑)。


佐藤:ファンの間で「中島さんがキテる!」とだいぶ盛り上がりましたが、Sexy Zoneの体制についての一件で打ち消されてしまったのが本当に残念で。メディア的にも彼らのことを扱いづらかった時期はあると思うので、これから改めて注目してほしいです。もしくは、いっそ海外に出てみるとか。地球の裏側、3人だの5人だの言われない世界なら、大いに活躍できるかもしれない。


高橋:海外進出といえば、関ジャニ∞は「海外進出したい」と言っていた時期がありましたよね。


ーー関ジャニ∞は、アーティスト的な活動も増えています。


佐藤:自分たちの立ち上げたレーベルからのリリースですし、そういうことにも挑戦できる環境ではありますよね。『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)で、英語を勉強しているし、ちょうど良いかも。今年は、バンドスタイルで『テレビ朝日ドリームフェスティバル2015』に出演を果たしましたし、今後バンドでの活躍も増えていきそうですね。


ーー音楽イベントへの出演は、ジャニーズファン以外にライブを披露できるいい機会です。


佐藤:そうなんです。ジャニーズの本当の魅力は、生で見て初めてわかると思っていて。ジャニー喜多川さんが舞台を大切にしていることもそうですが、生で見ると「才能と努力の結晶」が詰まっていると感じます。コンサートを見るまで、タレントのようにテレビに出ることがジャニーズだと思っていましたが、全然違うんです。舞台はさらにすごくて、KinKi Kids・堂本光一さんの『SHOCK』や、タッキー&翼・滝沢秀明さんの『滝沢歌舞伎』は、まさに圧巻。『滝沢歌舞伎』では、腹筋をしながら太鼓を叩く“腹筋太鼓”という「筋肉番付」のようなパフォーマンスがあって。あれは本当に多くの方に見てみてほしい。『ジャニーズ・ワールド』では、初年度に出演していたHey! Say! JUMP・薮宏太さんが、演出の水しぶきがすごすぎて、溺れかけるということもあったり(笑)。テレビでしかジャニーズを知らない人たちは、そういう本気の部分を知らないですから、もったいないですよね。ステージの様子が見られる番組があってもいいのになぁと。


高橋:舞台はチケットも高価なので、ファンも大人でないと楽しめなかったり、コンサートもなかなかチケットが取れませんし。「なかなか見れない」ということもアーティストの価値を高める上では大事だと思うのですが、もう少し生のパフォーマンスが身近になってくれたらうれしいです。


ーーファンクラブに入会しないとチケットが取れないなど、全体的な敷居の高さはもちろんありますが、今年は、事務所の公式サイト『Johnny's net』のリニューアルで、メッセージ動画の一部やプロフィールが写真付で公開されるなど、ジャニーズ側のアプローチにも変化が見られました。


佐藤:そうですね。ジャニーズとはいえ、日本国民全員がジャニーズについて詳しいわけではなくて。まだまだ知ってもらったり、興味を持ってもらう努力は必要だと思います。そう意味では、関ジャニ∞・村上さんが「知られていない」ことを定期的にネタにされる『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)は、個人的にも好きな番組です。ジャニーズは、ファンに囲まれた生活をしすぎると井の中の蛙になりがちだと思います。『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』(TBS系)のように旅先でおばあちゃん達に「知らないわー」と言われることも大事だなと。


高橋:あの番組でKAT-TUNに好感が持てた方も多いのでは。


佐藤:これまでと違った魅力が引き出せた番組ですよね。ちょっと強面なKAT-TUNをいじるってところがおもしろくて。上田竜也さん、いじっちゃって大丈夫? みたいな。田口さんの脱退で渦中の人となってしまった彼らですが、今後どのような体制になるにせよ、番組はぜひ続けてほしいです。


■ジャニーズJr.で注目のメンバーは?


ーー先ほども少しお話があったように、ジャニーズJr.時代から活躍するグループやメンバーが増えています。ファンの間では「ジャニーズJr.黄金期の再来」との声もあるとか。


高橋:神宮寺勇太さんを筆頭に、Mr.King vs Mr.Princeは人気がありますね。


佐藤:期間限定ユニットだったのが、正式ユニットになりましたね。SixTONESも再結成するなど、ジャニーズJr.でもいろいろ動きがある一年でした。高橋さんが個人的に気になるメンバーっていますか?


高橋:気になるのは、萩谷慧悟さん。


佐藤:ドラムが得意で、育ちがよい印象ですね。とても好感が持てます。そういえば、彼も高橋さんの好きな職人気質(笑)。


高橋:やっぱり顔が美しいだけではダメで(笑)。


佐藤:努力家で「武器を身につけないと!」と、一生懸命ドラムを練習していたイメージがあります。


ーー佐藤さんはどなたかいらっしゃいますか?


佐藤:それぞれの良さがありますが、頑張ってほしいのは、SixTonesですかね。もともとドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系・2012年)に出演していた6人組で、「バカレア組」と呼ばれていたメンバー。雑誌『FINE BOYS』のレギュラーモデルも務めているジェシーさん、京本政樹さんの息子の京本大我さん、元B.I.Shadowの松村北斗さん、高地優吾さん、元KAT-TUNの田中聖を兄に持つ田中樹さん、そして主演映画の経験もあるベテランの森本慎太郎さんと、実力派揃いです。今年は舞台『ジャニーズ・ワールド』にも抜擢され、今後の活躍が楽しみなグループです。個人だと、2016年2月公開の映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』で中島健人さん扮する黒崎くんのクラスメイト役で出演する岸優太さんですね。凛々しい顔なのに少し頼りないところがあるメンバー。先輩にかわいがられて、人気もひっぱられていくといいなと思います。舞台『SHOCK』にも出てますし、ドラマ『仮面ティーチャー』(日本テレビ系・2013年)では、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷さんが彼を気にかけていたというエピソードもあります。


高橋:関西ジャニーズJr.では、大西流星さんですね。中学生ですが「わかってる系」の魅力があって、Sexy Zone・中島健人さんばりのアイドル的天性の持ち主。ジャニーズ入所から数カ月でA.B.C-Zのコンサートにソロで出演するなど、将来有望です。関西ジャニーズは、ジャニーズWESTのデビューでごそっとメンバーがいなくなってしまったので、新しいメンバーの登場にも期待です。


佐藤:Mr.King vs Mr.Prince・平野紫耀さんももっと人気が出そう。彼は逆に「わかってない系」というか。自分がかっこいいことも、自分をどう見せたら一番いいかということも、わかっていないのがいいんですよね。


高橋:Snow Manの人気の高さにも驚きます。彼らが出る舞台は、人気やチケットの相場が一気に上がるんです。でも、その人気の理由もなんとなくわかるというか。私も見ていて楽しいメンバーより、分析しがいのあるメンバーを好きになることが多いんですが、彼らはまさに分析し甲斐のあるポテンシャルを持っているグループです。夫婦揃ってジャニーズファンという知人がいて、旦那さんにジャニーズを好きになった理由を聞いたことがあるんですが、「ポケモンみたいに育っていくのが楽しい」と言っていて、なるほどなと思ったことがありました。別の知人も自分のことを「エア・おかん」と言っていたり。恋愛や憧れの対象ではない分、長い目で応援できるというファンの形というのも、最近増えているのかなと思います。


佐藤:ファンや活躍の場を広げるためにも、男性ファンをつかむというのは今後大事になってくるでしょうね。いわゆる“ジャニーズらしくない”グループや、TOKIOのように男気を見せてくれるグループが今後増えてもいいと思いますし。ジャニーズ全体でも、新たな層に向けたアプローチをするための準備期間のような一年だったのかもしれませんね。


高橋:来年は久々にグループのデビューがあるのか、今から楽しみです。若さだけではなく、ポテンシャルで、日々進化し続ける先輩たちを追い抜いてトップに君臨できる素質のあるメンバーと出会えたらいいなと思います。