皆さんは、UMA(未確認生物)の存在について、どうお考えだろうか。「そんなものはいない! 伝説だ伝説」と一蹴されるだろうか。あるいは「ロマンがあっていいよね、いると思うよ」とお思いだろうか。
UMAとはそもそも、生物学的に確認されていない生物の総称で、日本人の生み出した造語である。雪男やネッシーなどが代表的なものとされているのはご存知のとおり。
12月27日に放送された年末恒例特番「ビートたけしの超常現象(秘)ファイル 2時間SP」(テレビ朝日系)でも、UMA情報が紹介されていた。かつて世界中の不思議な事件について紹介する仕事をしていた僕にとっては、たまらないコンテンツである。(文:松本ミゾレ)
アイルランド・マクロス湖に巨大UMA、ドアル・クーが出現!?
この番組、宇宙人やら幽霊やらUMAやらが撮影された映像VTRをもとに、オカルト肯定派と否定派がディスカッションするフォーマットの人気特番である。そこで紹介されるVTR、特にオカルト肯定派が持ち込んだものは、毎度毎度かなり胡散臭いものが多い。でも、そんな中でも今回僕が目を見張ったのが、ドアル・クーの姿が映ったというVTRだ。
UMA研究家の岡本英郎氏をして「心臓が口から出るぐらい」興奮したと太鼓判を押したこのVTR。アイルランド・マクロス湖で撮影したというこの映像では、川のど真ん中で顔を出したり、水中に没する直前に背を水面に出す謎の生物が映っている。この生物こそ、ドアル・クーだというのだ。
ドアル・クーとは何か。その正体は巨大かわうそだと言われている。非常に獰猛で、現地では殺人かわうそだなんて言われるほどに恐れられているのだ。かわうそと言えば可愛らしいルックスをした動物なんだけど、そもそも野生のかわうそは結構凶暴で、ワニなんかも捕食する。
ドアル・クーの体長は、推定で2メートルほどはあるという。殺人かわうその異名の通り、これだけ大きければ人間にとっては脅威に違いない。
13人目の子ども、恐怖のジャージーデビルが夜の公園を羽ばたく
さらに注目せざるを得なかったのが、米ニュージャージー州で撮影されたというVTRだ。
2015年10月に撮影されたばかりというこの映像。夜の公園らしき場所でカメラを回していると(何でそんなことをしているの? と思うけど)、突然やけに可愛らしい体をした、馬のような頭をした怪物が飛行しながら横切るのだ。
その名もジャージー・デビル。一見すると無害な妖精っぽいルックスなんだけど、これがとんでもない出自を秘めている。一般的によく言われているのが、1730年代、ニュージャージー州に実在していたリーズ一家に生まれた13番目の子どもが正体という説だ。なんとこの子ども、馬の頭、コウモリの翼を持って生まれてきたのだという。
ほかにもリーズ一家の子供たちがどこからか拾ってきた卵から孵ったとか、悪魔崇拝者らによって誕生したなんて説もある。
いずれにしても世界的にかなり有名なUMAであり、これまで何度も目撃されている。今回紹介された映像はなんというかその……まあチープなんだけど、それでもついつい興奮してしまった。
UMAは幻じゃない! 伝説の存在が動物園に実在した、なんてことも
さて、UMAだなんて呼称された何かが映っている映像を見せられると、胡散臭く感じてしまうという方は少なくないはずだ。しかしながらUMAは別にそこまで現実離れした存在ではない。
というのも、私たちはもう既に、過去はUMA、伝説の存在とされていた動物のことをよく知っている。たとえばバーバリライオン。あらゆるライオンの中でも最も巨大な体を持ち、その全長は最大4メートルにも達する巨大生物だった。
かつての古代ローマの剣闘士が戦わされていたのがこのライオン。しかし永らく狩りの対象とされたことで、1922年には純血種は絶滅したと言われていた。その後もしばしば目撃情報こそあったが、存在の実証はできないまま、UMAと目されるようになっていったのである。
ところが2000年代に入って、実はモロッコの故・ムハンマド5世の私設動物園で多数のバーバリライオンが繁殖を繰り返し、多数生き延びていたことが発覚。UMAファンにとってはかなりの衝撃となった。
また、生きた化石と呼ばれているシーラカンスだって立派なUMAだ。古生代デボン紀に出現し、今から6500万年前を境に絶滅したと考えられてきたシーラカンス。ところが1938年になって、南アフリカでほとんど形態を進化させないまま僅かながら繁殖をし続けていた個体が発見され、世界中を震撼させた。
恐竜や始祖鳥と同じ時代の地層から発見される化石。その化石に残る姿そのものの生物が、ひっそりと生き長らえていたというわけだ。その後も続々とシーラカンスは各地で発見されている。人類誕生の遥か以前に生まれ、そして滅んだとされてきた古代生物が、未だに世界中で目撃され、実際に捕獲されているのだ。
UMA、実在が疑われつつも、今に至るまでその存在が確定されていない、未知の生物たち。 21世紀、科学全盛の時代においても、人類が到達できないエリアは、地球上にまだまだ数多く残されている。イエティ、つちのこ、サンダーバード。数多くの目撃情報がありつつも、未だに発見されないままの生命体たち。もしかすると明日にも、かつてUMAと呼ばれていた生物たちのように、ひょんなことから発見されるのかもしれない。
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