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年末企画:加藤ヨシキの「2015年 年間ベスト映画TOP10」

2015年12月30日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2011 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

1. ウォーリアー
2. マッドマックス 怒りのデス・ロード
3. ワイルド・スピード SKY MISSION
4. 激戦 ハート・オブ・ファイト
5. ベテラン
6. ナイトクローラー
7. ジョン・ウィック
8. カンフー・ジャングル
9. ジュラシック・ワールド
10. 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章


参考:トム・ハーディー主演『ウォーリアー』が、スポーツ映画の金字塔である理由


 嬉しい悲鳴とは、まさに今年のような事を言うのでしょう。今年は好きな映画が非常に多く、本当に1年を通して楽しめました。まずは来年『貞子vs伽椰子』を監督することでも話題の白石晃士が手掛けた、人気ホラーPOVの完結編『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章』です。心霊ドキュメントという体ながら、河童と相撲対決をしたり、ついには旧日本軍の秘密兵器の謎を追ったり…そのスケール感がドンドン逸脱していくのが楽しいシリーズです。完結篇の名に恥じない、恐怖あり狂気あり、果ては笑いあり涙ありの1本でした。


 海外からはアクション映画でも傑作・快作が次々と入って来た印象があります。キアヌ・リーブスが歩く治外法権と化す『ジョン・ウィック』、ドニー・イェンを筆頭に香港を代表するアクション俳優たちが「香港アクションここにあり!」と示すような美技を披露する『カンフー・ジャングル』。『ナイトクローラー』では緊迫感あふれるカーチェイスと、ジェイク・ギレンホールの鬼気迫る熱演に魅せられました。そして、韓国からやってきた熱血刑事映画の傑作『ベテラン』! これらの映画は、どれも観終わった後に自分まで強くなった気がしました。ちなみに私は、『ベテラン』を見て会社を辞める決意を固めました。閑話休題。


 そして、今年最大のトピックと言えば、シリーズもので傑作が続出したことでしょう。まずは口コミでも大いに話題になった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。ポール・ウォーカーの悲劇を乗り越え、全世界で大ヒットとなった『ワイルド・スピード SKY MISSION』、そしてクリス・プラットの魅力全開だった『ジュラシック・ワールド』…どれも完成までは様々な困難があった映画ですが、どれも私の中の「僕は、このシリーズにコレを求めていたんだ!」を満たしてくれました。


 そんな中、個人的に今年一番気に入ったのが、『ウォーリアー』ですね。こちらは2013年にアメリカで公開された総合格闘技アクションなのですが、なかなか日本公開の目途が立っていなかった1本です。このたびDVDリリースされ、ようやく観ることが出来たのですが…もうクライマックスは涙で明日が見えない状態になってしまいました。私の中では文句なしのベストです。なお、『激戦 ハート・オブ・ファイト』は、『ウォーリアー』と同じく総合格闘技や家族の絆を題材に扱っていますが、ウェットさとケレン味が強調されていて、同じく熱くなれる1本でした。


 ざっと今年の映画を振り返ってみたのですが、正直、今年は10本では枠が足りません。観ただけでも、他にも『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『キングスマン』などの大作・話題作や、『プリデスティネーション』、『神の一手』などの味わい深い小品や変わり種まで、とにかく充実していました。というか、恥ずかしながら、これを書いている時点で「ロッキー」シリーズ最高傑作とも絶賛されている『クリード チャンプを継ぐ者』や、ギャングスタ・ラップの超有名グループN.W.A.を描いてアメリカで社会現象的に大ヒットした『ストレイト・アウタ・コンプトン』をまだ観れていない状態です。日本公開は先になりそうですが、香港アクションの金字塔『SPL/狼よ静かに死ね』の続編『SPL2』も公開されています。とにかく2015年は、ハリウッド大作やアクション映画が好きな私にとっては、「豊作」としか言いようがない1年でした。来年にも続々と話題作が控えており、しばらくは嬉しい悲鳴を上げ続けることになりそうです。(加藤ヨシキ)