忘年会や新年会など、年末年始はなにかとお酒を飲む季節。くれぐれも事故がないようにしたいものですよね。
東京消防庁における、平成25年中の救急出場件数は 749,032 件。月別に見ると、7月と8月の夏季に増加し、その後減少。しかし12月と1月には再び、その数は増加するのだそうです。
冬に、急病および事故が発生する原因として考えられるのは、以下の3つ。
【冬季に救急車出動が増加する原因】
・風邪やインフルエンザなどの冬季に流行する病気の発生
・忘年会、新年会などにおける急性アルコール中毒
・お餅を喉につまらせたことによる窒息事故
なるほど、どれも納得! ってなわけで、今回は、「急性アルコール中毒」「餅を喉につまらせる事故」にスポットを当てて、これらの予防と対処法をご紹介しちゃいます。覚えておくとなにかと安心なので、ぜひともご一読を。
【「急性アルコール中毒」を未然に防ごう】
まずは「急性アルコール中毒」から。こちらを予防するには、「自分の適量を知る」「その日の体調を考慮する」「短時間に多量の飲酒をしない」「周囲が無理強いをしない」「酔った人には誰かが付き添ってあげる」といった点に気をつけましょう。
【事故が起きてしまったら】
しかし万が一、これらを心がけることができず「急性アルコール中毒」を引き起こしてしまった場合は、適切な対応を。
京都市消防局ウェブサイトが紹介している方法を手本に、落ち着いて対処してください。
■初期動作
1. 呼び掛けや問いに応答できるかどうか、意識状態をチェック。
2. 普段どおりの十分な呼吸をしているが、意識が無い。こういった場合は嘔吐物などによって気道を閉塞する危険があるため、回復体位をとる。
3. 嘔吐した場合は口の中の嘔吐物などをかき出し、窒息しないようにする。
4. 酔いが覚めるまでそばに付き添い、目を離さない。
■応急手当
1. からだを横に向け下あごを前へ出し、気道を確保。こうして「回復体位」をとる。
2. 毛布やコートなどで保温。
3. そばに付き添い、目を離さない。
【のどにつまるのは「お餅」だけではない】
続いて「お餅をのどにつまらせる事故」による対処法も、京都市消防局ウェブサイトを参考に。同サイトによれば、お餅に限らず、「肉」や「刺身」などによる事故も発生しているそうなので、そういった際にもこの方法を実行してみてください。
【こんな症状が現れたら、すぐに対処を!】
窒息したと思われる症状は「声を出さず、もがきだしたり、首をかきむしる」「息はしているが “ゴロゴロ” “ヒューヒュー” といった音がする」「くちびる、顔面が紫色になってきた」、といったもの。
そういった状況に直面したら、まずは119番通報、そして異物の除去を試みましょう。
■応急手当
・ 咳をさせる。
・ 手の付け根で、肩甲骨の間を力強く何度も連続して叩く。
反応がない場合には、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返し、心臓蘇生を行います。近くにAEDがある場合は、すぐに使用できるよう、準備しておくように。
【すぐに対応できるよう、頭に入れておくべし】
なお同サイトには、乳児のみに対応している対処法、さらには背中を叩くよりも腕力が必要になるけれど有効な「腹部突き上げ法」も紹介されているので、気になった方はそちらもチェック。
大切な人たちを守るため、ぜひとも心に留めておいてください!
参照元:東京消防庁、京都市消防局(急性アルコール中毒)、京都市消防局(窒息)
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch