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嵐「アーティスト別トータルセールス」で歴代1位に 数字から見える彼らの強さとは?

2015年12月26日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 嵐が、『第48回オリコン年間ランキング2015』の「アーティスト別トータルセールス」部門で年間1位に輝いたことが23日、各メディアで報じられた。


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 同部門は、前年12月22日から同年12月21日までの各アーティストの音楽ソフト(シングル・アルバム・音楽DVD、音楽Blu-ray Disc)売上金額を、ランキング集計したもの。


 嵐は今年、年間143.3億円を売り上げ、全16部門(新人賞を除く)中、自身が記録した10冠を上回る史上最多の11冠を獲得。年間1位は、2009年、2010年、2013年、2014年に続き、3年連続通算5度目となり、男女グループ・ソロを含め、全アーティストの中で歴代1位を記録した。この記録を樹立したことにより、嵐は、名実ともに人気アーティスト1位の座に輝いたといえるのではないだろうか。


 オリコンの各年間ランキングを見ても、嵐のセールス力が群を抜いているということがよくわかる。シングルランキングでは、1位~10位までをAKBグループと乃木坂46が埋め尽くす中、唯一9位に嵐の『青空の下、キミのとなり』がランクイン。同シングルは、DVD付の初回限定盤と、CDのみの通常盤という2形態でのリリースとなっており、特別な特典が付与されているわけではない。相葉雅紀主演のフジテレビ系月9ドラマの主題歌ということ以外は、特別目立ったプロモーションがあったわけでもない。嵐のシングルであるということと、ドラマの最後に流れる耳馴染みのよいキャッチーな楽曲の力だけで、多くの購買層を獲得したというわけだ。


 アルバムランキングでは、2位の三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『PLANET SEVEN』に8万枚ほど差をつけ、嵐『Japonism』が堂々の1位に輝いた。これにより、嵐は「アルバム作品別売上枚数ランキング」で2年ぶり通算5回目の歴代1位を記録。なお、2位の『PLANET SEVEN』は1月リリースで、『Japonism』は10月のリリースとなる。販売期間の差を見ても、嵐のセールス力がいかに強いかが明らかとなった。


 もっとも、『Japonism』は、嵐としても勝負に挑んだ作品であると考えられる。これまで嵐のアルバムは、シングル同様、初回限定盤と通常盤の2形態でのリリースを続けてきた。しかし、今回は初の3形態でのリリースとなったのだ。とはいえ、追加された形態は、アルバムコンセプトを明確に反映した、ややコアファン向け特典CDをつけた“よいとこ盤”。初回盤には、通例どおり、シングル曲のMVとメイキング収録のDVD、通常盤にはボーナス・トラック収録のCDを付属していた。今作は、それぞれの盤ごとにコンセプトを立てるという丁寧な作品づくりを行った印象があり、届くべき人にそれぞれの盤が届いたことが、今回のような結果に反映されたのかもしれない。


 また、総合ミュージックDVD・Blu-rayランキングでも、『ARASHI BLAST in Hawaii』『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』が1位、2位を独占。DVD『ARASHI BLAST in Hawaii』で1位を獲得したことにより、「ミュージックDVD作品別売上枚数」で7年連続年間1位、こちらも歴代1位の記録を樹立した。


 嵐は、11月からスタートした全国5大ドームツアー『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』全17公演を12月27日、東京ドーム公演で締めくくる。嵐の数字的強さは、音楽ソフトのみにとどまらず、コンサートでも発揮されている。


 2014年の全国5大ドームツアー『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』が、全18公演で84万5000人を動員したことを考えると、今年のドームツアー全17公演では80万人前後の動員が見込まれる。今年9月、ひとめぼれスタジアム宮城(宮城スタジアム)で行われた『ARASHI BLAST in Miyagi』では、4日間で20万8000人を動員しており、自身の単独公演で、1年間で約100万人を動員したことになる。6月に東京・大阪で行われたイベント『嵐のワクワク学校2015~日本がもっと楽しくなる四季の授業~』の4日間全6公演24万6000人の動員を合わせると、その数は約125万人にまで及ぶ。


 ライブに関しても、4年連続5大ドームツアーを行うアーティストは、史上初だという。親しみやすさとは裏腹に、脅威的な数字をあらゆる分野で叩き出す彼らの底力を改めて感じた年末となった。トップに君臨し続ける嵐が、2016年に目指す方向性はいかに。(竹上尋子)