毎年クリスマスシーズンになると、ノルマ達成や在庫処分のために従業員が店のケーキや食品を買い取る「自爆営業」の話が出てくる。メディアでもたびたび批判されているが、残念なことに今年も各地のコンビニやスーパーなどで被害者が相次いだようだ。
12月24日、クリスマスイブの夜。2ちゃんねるに「コンビニ店長『バイトは店のケーキ1個絶対買えよ。ノルマ達成できなかった分も買ってもらうけどそうならないように頑張って!』」というスレッドが出現した。
「クリスマスはバイト先に自爆ケーキを受け取りに行く」
スレ主はバイト先のコンビニ店で、クリスマスケーキを4つも買わされ「5000円ほど来月の給料から引かれる」と明かす。店舗は都心の駅前にあり、タバコやパンを買いにちょっと来店するだけの客が多いため、ケーキの売れ行きは思わしくない。
「ケーキ売れるコンビニなんて住宅街くらいだろ。誰が繁華街のコンビニでケーキ買うんだよ死ねカス」
「まじむかつくわ」
確かに売れないものを仕入れて勝手にノルマを決め、売れ残りをバイトに買い取らせるのは質が悪い。スレ主も、労働基準監督署やコンビニの本社に通報したいと考えているが、店には「一応良い人とか世話になってる人がいるからなかなかできない」と書いている。
同様の報告は、ツイッターにもクリスマス前後から多数寄せられている。
「クリスマスはバイト先に自爆したケーキを受け取りに行く仕事がある」
「昨夜、たくさん余ったからとバイト先で長女がフライドチキンと小さいケーキを買って来てくれた」
「チキン10本買い取りになりましたクソッタレ」
中にはクリスマスケーキのみならず、早くも新年用のおせち料理の予約をさせられた、という投稿も寄せられていた。
「妹がバイト(コンビニ)から帰ってきて直ぐおせち予約してとか言ってカタログ渡されたん。ケーキ買ったやん………」
「バイト先のおせちを予約することになるとはな…」
コンビニバイト学生の11.6%が「買い取り強要」を経験
最近は、「ブラックバイト」という言葉が一般的になり、以前は当たり前とされてきた自爆営業への認識も改まりつつあるが、依然としてなくなっていないことがうかがえる。
厚生労働省が11月に発表した学生アルバイトを対象にした意識調査では、コンビニでバイトする学生の11.6%が「商品やサービスの買い取りを強要された」と回答している。
NPO法人POSSE代表の今野晴貴さんは12月中旬、ツイッターに「ケーキ、おせちなど商品の買取やノルマは拒否することができます」と投稿。拒否しようとしても許されない場合は「強要」に当たるとし、
「また、罰金が科される場合には労基法違反(刑事罰)です。NPO法人POSSEまでご相談ください」
と呼びかけた。なお、自爆営業を含む企業の内部告発については、口コミサイトの「キャリコネ」でも受け付けている。
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