2016年F1レースシートでまだ確定していないのはマノーの2席のみとなっている。何人かのドライバーがこのシートを狙っているが、持ち込み資金の額が左右する状況であるとみられる。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフが最近、2015年DTMチャンピオンのパスカル・ウェーレインが来年マノーチームのレースドライバーの座に就きF1デビューを果たす可能性はほぼ潰えたとほのめかした。
今年メルセデスF1チームのリザーブドライバーも務めたウェーレインを来季F1デビューさせたいメルセデスは、パワーユニットを供給するマノーと交渉してきた。だが話し合いの進捗状況を聞かれたウォルフは、ウェーレインを乗せるためには多額の資金が必要であり、400万ユーロ(約5億2,800万円)では「全く足りない」と述べ、契約は困難であると示唆した。
今月、マノーの候補として、GP2で今年3勝を挙げたインドネシア出身のリオ・ハリアントが浮上した。インドネシア青年・スポーツ省がマノーのオーナー、スティーブン・フィッツパトリックに対し、ハリアントを乗せるなら「1,500万ユーロ(約19億8,000万円)を支払うことを保証する」という手紙を送ったとして、この手紙の写真がTwitter上で公開されたのだ。
ウォルフは「メディアで報じられたこの額でこのようなシートを買うというのは、F1の破壊につながる」と懸念を示した。
ウォルフはSpeed Weekに対し、マノーは金を欲しがっているが、自分たちに支払える額には限度があり、それ以上を支払うわけにはいかないと述べていた。
しかし一方で、ハリアントへの多額の支援はまだ確定したわけではないという報道もある。
ジャカルタの知事が法律では市の予算をF1ドライバー支援に使うことはできないと発言したとJakarta Postが伝えている。ハリアントが確保しているのはインドネシア国有の石油会社プルタミナによる540万ドル(約6億5,000万円)のみで、マノーのオーナーへの手紙にサインしたインドネシア青年・スポーツ省大臣イマム・ナフラウィ氏は、資金確保のため今も政府や企業などと交渉中であると同紙は報じている。
マノーの他の候補は、今年のレギュラードライバーのウィル・スティーブンスとスポット参戦を果たしたアレクサンダー・ロッシであると考えられている。スティーブンスは最近、「シートを獲得できると確信している。100パーセント自信がある」と残留に強い自信を示したとMotorsport.comが伝えている。