不動産・住宅情報サイトの「ホームズ」がJR山手線29駅の好感度ランキングを発表し、ネット上で話題になっている。最も雰囲気が好きな駅には恵比寿駅があがり、「おしゃれ」という理由で女性の支持が目立ったという。
一方で、最もダサい駅には、鶯谷駅と新大久保駅、巣鴨駅がワースト3に。ホームズでは選定の理由として回答者のコメントをそのまま紹介しているが、中でも新大久保駅の不人気の理由が「外国人嫌悪を煽る」として、一部で批判が起こっている。
「看板などが日本ではない」「何かなじめない」と紹介
ワースト1位の鶯谷駅は「北の玄関口」上野駅と、「谷根千」を擁する日暮里駅の間に挟まれた小さな駅。1日の平均乗車人数は29駅中で最も少なく、印象が薄いのも仕方がない。ホームズのサイトも「ラブホテルが多い」「場末な感じがする」「いかがわしい感じ」「うらぶれている印象」といった回答者コメントを紹介しつつ、フォローに躍起である。
「(コメントした回答者は)実際に降りて確認したわけではなさそうである」 「江戸時代には多くの文人が住む閑静な別荘地であった」
一方で、2位の新大久保駅については「新大久保といえばコリアンタウンとして有名」と書き出し、こんなコメントを列挙している。
「多国籍の人が利用しているイメージがある」
「すでに外国人タウンと化している」
「看板などが日本ではない」「何かなじめない」
この記事を見た人からは、「ダサい駅」「なじめない」というネガティブな印象と「コリアンタウン」「外国人」を結びつける紹介が、外国人に対する嫌悪感を煽るものになっているのではないかという批判が出ている。
「『多国籍の人が利用しているイメージ』『すでに外国人タウン』だから『ダサい』のですか……あまりにもひどいね」 「住宅情報メディアは地域への偏見についてもっとも敏感かつ批判的な存在でなければならないのに」
「地元がダサい方が家賃が安くなる」という人もいるが
2015年の新語・流行語大賞に「爆買い」が選ばれたように、内需が縮小する一方の日本では、海外からの観光客がもたらす「インバウンド消費」が頼みの綱だ。2020年の東京五輪に向けて、さまざまな国から外国人を受け入れる体制の整備が急がれている。
そんな中で「多国籍の人が利用しているイメージがある」などという理由で、新大久保駅をダサいと紹介するのは、いかがなものだろうか。
3位の巣鴨駅も「お年寄りが多いから」「高齢者の原宿だから」「おばあちゃんの街だから」という理由でダサいとされており、高齢化が今後一層進む中でネガティブな評価と結びつける点について疑問視する声がある。
「『お年寄りが』『年配の人が』がマイナスイメージになる。自分もいずれはそうなるのに天に唾する回答。新大久保なんかはヘイトそのものだし、これを平気で発表するホームズの見識を疑う」
もっとも、このようなランキングはお遊びという見方もある。「ダサいと思う駅のほうが自分にとっては好感度が高い」「地元がダサい方に入っててガッツポーズ。なぜなら便が良いのに家賃が安いという理想郷がキープできるからな。ワッハッハ」というコメントもある。それだけに理由の分析のところは、もう少し配慮があってもよかったのかもしれない。
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