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日本一有名なニート・pha『犬に名前をつける日』トークショー登壇「お金にならないものを大事に」

2015年12月24日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)スモールホープベイプロダクション

 名前のない犬たちと、彼らを救い出す人々を描いたドキュメンタリードラマ映画『犬に名前をつける日』の銀座トーク祭りが12月16日から3日間にわたって行われた。


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 初日のトークゲストとして、京大卒の日本一有名なニートで、自身も二匹の保護猫と暮らすphaが登壇。以前、彼のドキュメンタリーを撮影した本作の監督、山田あかねと、なぜ犬や猫と暮らすのか、この映画を撮るスタンスなどについてのトークが繰り広げられた。


 山田監督から「働きたくないし、その代わりにお金はたくさんいらないphaさんが、二匹も猫を飼っているのはなぜ?」と聞かれたphaは、「猫とニートは似ている。寝てばかりいるとか、人のいうことをあんまり聞かないとか。猫を見ていると、自分のほうが働き者だなと思える。でも、そんな役に立たないことやお金にならないものを大事にしていきたい。猫が切り捨てられるのだったら自分も切り捨てられるかもしれない。そこはつながっているのではないかと思う」と語った。


 また、phaからの「この映画を撮る前と撮ったあとで発見は?」という質問に対して山田監督は、「殺処分を行っている動物愛護センターに初めて行ったときは、酷いことを行う場所に潜入するのだという気分だった。でも、撮影でセンターに通ううちに、単にそこで仕事をしている人を批判したり訴えたりする視線で作品を作るのは違うと思った。センターで働く人たちも、ボランティアの黙々と動物を救う姿を見て、心が変わっていくのを感じた。目の前で無償で犬を助けている人を見たら、仕事の中で、自分でできることはないかと、なんとかして救える道はないかと考え始めたのがわかった。それを見て、何かを変えないといけないと叫ぶことも大事だけれど、目の前で何も言わずに働いていることを見せるほうが、人が変わることもあると知ったし、映画も、単にこれは酷いと訴えるだけでは、あまり効果がないのかもしれないと感じた」と答えた。


 同作は、川越スカラ座で12月25日まで上映のほか、全国順次公開中となっている。また、2016年3月10日には、トロント日本映画祭の東日本大震災5周年チャリティ記念として特別上映されることが決定している。(リアルサウンド編集部)