フォーミュラEの第2シーズンに参戦しているネクストEV TCRは、第3シーズンでは現在使用しているツインモーター式パワーユニットを採用しないようだ。
フォーミュラE初代王者のネルソン・ピケJr.を擁するネクストEV TCRは、パワートレインの開発が解禁された第2シーズンにMGU(モーター・ジェネレータ・ユニット)を2基搭載するネクストEV TCR フォーミュラE001を投入したが、思うような結果を残せていない。
ネクストEV TCR フォーミュラE001のMGUは最低でも1基20kgとみられており、参戦マシンのなかで最も重いマシンとみられている。そのため、ドライバーはハンドリングに苦戦。第3戦終了時点のベストリザルトは開幕戦北京ePrixでオリバー・ターベイが獲得した6位にとどまっている。一方、同じく2基のMGUを搭載しているDSヴァージン・レーシングは第2戦プトラジャヤePrixでサム・バードが2位表彰台を獲得している。
フォーミュラE第3シーズンに向けたパワートレインのホモロゲーション期日は2016年7月1に設定されているものの、4月1日までにクラッシュテストを通過する必要があり、クラッシュテスト通過後はマシンに大幅な変更を施すことはできない。
ネクストEV TCR代表のスティーブン・ルーは年内に最終的な決断を下し、可能な限り速やかにパワートレインのテストに取り掛かりたいと語った。
「第3シーズンに向けて、まずマシンの重さは改善する必要がある。その次にエネルギーの効率性にも目を向けなくてはならない」
「現時点で私たちに残された選択肢はわずかだ。そのなかから最適な答えをみつけるべく努力している。ひとつ革新的なものをみつけているが、それがしっかり機能するか判断しなければいけないんだ」
「どちらにせよ、12月31日までには決断を下す」
ここまで苦戦を強いられているネクストEV TCRだが、第3戦プンタ・デル・エステePrixに向け、マシンのソフトウェアにアップデートを実施したほか、チームアグリからレースエンジニアのゲイリー・ヒューズが加入。その結果、ターベイが予選で今季最上位の10番手を獲得したほか、トラブルでリタイアするまで2台ともポイント圏内を走行するなど、改善の兆しもみえている。
ルーはチームが第3シーズンへ向けた準備に注力していることを認めながらも、第2シーズンの成績改善にも取り組みたいという意向を示している。
「いま取り組んでいることのほとんどが第3シーズンへ向けた準備だ」
「ゲイリーの加入もそのひとつだが、彼は今季の成績改善にも取り組んでいる」