トップへ

【2015ベストコレクション②】テアトラが提案する「目的があるデザイン」

2015年12月22日 20:32  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

device coat packable Image by: TEÄTORA
日本を拠点に活動するブランドを対象に、2015年に発表された新作から、特に優れていたコレクションをセレクト。デザイナーの思いや服作りにフォーカスする企画【2015ベストコレクション】第二弾は、現代クリエイターのためのワークウェアメーカー「テアトラ(TEÄTORA)」。

2015ベストコレクション②の画像を拡大

 上出大輔氏が手がける「テアトラ」は、現代のクリエイティブな仕事をするワーカーに向けたアイテムを展開するブランドで、2013年のデビュー時はボトム2型のみだったが、2016年春夏シーズンはウェアからバッグやシューズまで約50型に拡大した。「生活を良くするツール」と捉える服について機能面を徹底的に研究し、毎シーズン着用目的に沿ったシリーズを追加していくという発表スタイルも独特だ。現在全国60店舗以上で取り扱われ、特にコンパクトに収納できるパッカブルシリーズが好評だという。
 1959年にピエール・カルダン(Pierre Cardin)がオートクチュールのデザイナーとしては初めてプレタポルテを発表して以降、これまで多くのデザイナーが様々な思考で服を作ってきた。多種多様な価値観から服の良い悪いの基準は曖昧だが、「テアトラ」が提案する「目的があるデザイン」は服の価値を定量化することができる。例えば、パンツはデスクワーカーのために座った時の機能性が徹底的に考えられているし、Tシャツにプリントされている印はコンパクトに畳めるガイドラインの役割がある。「ウォレットコート」は旅行者のために丸めてもシワにならない素材選んでいて、貴重品を収納できるシークレットポケット付き。「なぜこのデザインなのか」が全て言葉で説明できるということだ。ライフスタイルに寄り添いながら日々起こりうる問題を解決するという上出氏のデザイン思考は、アウトドアやスポーツ分野とは異なり全ての現代人にも通じる。「着る理由」がある「テアトラ」は、機能服がファッションの主流になりつつある今、その支持を広げそうだ。
■オフィシャルサイト
■関連記事【2015ベストコレクション①】料理のように焼いたり蒸したり「イッセイ ミヤケ」が探求するレシピ