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イギリスのF1無料放送を担うBBCが放映権を手放す事態に

2015年12月22日 15:01  AUTOSPORT web

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BBCスポーツ
F1発祥の国、イギリスで今シーズンまでF1の無料放送を担ってきたBBC(英国放送協会)が、本来の契約期間を大幅に前倒す形で放映権を手放すことになった。代わってChannel4が2016年から3年間の地上波放送を引き継ぐ。

 BBCは当初、2018年末までの放映権を有していたが、BBCスポーツの3500万ポンド(約63億円)を含む、1億5000万ポンド(約270億円)の新たな財源を会社全体で確保する必要に迫られていたため、F1放映を今年限りで取り止めることになった。

 Channel4は、その穴埋めとして3年間の放映権を獲得したが、コマーシャルなしでフルに生中継されるのは10レースのみ。残りはハイライトとして編集され放映される形になる模様だ。

 この放送局の変更について、F1の商業権所有者であるバーニー・エクレストンは次のように述べた。

「BBCが契約をまっとうすることができず残念に思っている」とエクレストン。
「しかし、今はF1をコマーシャル・タイムなしでレースを放送してくれる放送局を得ることが出来て嬉しいよ。私はChannel4が、これまでBBCが成し遂げてきたことだけでなく、新たなアプローチでF1を放送してくれることを期待している」

 当初はITVが権利を回復すると予想されていたが、結果的にChannel4が放映権を獲得。最高経営責任者のデイビッド・アブラハムは「F1は世界中の中で最も大きなイベントのひとつで、イギリスの大衆へのアピールにもなる。私は、この素晴らしいスポーツの地上波放送を継続していくという、新たなパートナーシップをバーニー・エクレストンと結ぶ事ができて非常に嬉しいよ」と語った。

 BBCは2009年からITVに代わって地上波放映権を獲得。最初は独占放送だったが、4年の間に影響力も薄れていき、2012シーズンからは衛星放送のSky sportsによる放送も始まった。

 BBCのスポーツ部門ディレクターであるバーバラ・スラーターは「BBCの現在の財務状態は厳しく、不必要なものは切り離していかなければいけない選択を強いられている。BBCスポーツはF1の放映権を破棄することで、その財務問題は解決する。このような素晴らしいスポーツイベントの放送を止めなければならないという決定は、非常に残念だが仕方がない」とコメントした。

 BBCのラジオ5ライブは契約を継続した模様で、2021年まで延長されている。

 新しく放映権を引き継ぐことになったChannel4は、近々2016年の各グランプリの放送スケジュール等の詳細を発表することになるだろう。