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シモンズが今季を総括「チーム全員満足していない」

2015年12月21日 12:31  AUTOSPORT web

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フェリペ・マッサ(ウイリアムズFW37)
ウイリアムズF1チームのチーフテクニカルオフィサー、パット・シモンズは、今季の選手権3位を確保できたものの、ライバルであるフェラーリに先を越されたことに悔しさをにじませた。

 新レギュレーションに変わった昨年、フェラーリは1993年以来となる未勝利でシーズンを終え、コンストラクターズランキングで4位に沈んだ。しかし、セバスチャン・ベッテルの加入やオフにマシンを徹底的に見直したことが功を奏し、今年は3勝を挙げる活躍でメルセデスに次ぐ選手権2位を勝ち取った。

 一方のウイリアムズは昨年からメルセデスのパワーユニットを得て躍進。選手権3位を獲得するが、今年はそのポジションをさらに押し上げることが出来ず、順位もそのまま。低迷したレッドブルを退けることはできたが、フェラーリの快進撃に敗れる形となってしまった。

「フェラーリが一番変わった。今までは我々の0.3パーセント後方にいたのに、今年は0.3パーセント前に行ってしまった。それが悔しいね」とシモンズ。
「昨年はメルセデスが3つのレースで失敗し、そのチャンスをレッドブルが拾い集め勝利につなげた。もちろん、同じことを我々ウイリアムズも出来るチャンスはあったはずだ。ただ今年は、我々にとってそこまで幸運になることはなかった」

「フェラーリは圧倒的なペースでいくつかのレースを勝利した。ただ我々はそこまで落胆しなければいけないシーズンでもなかったと思う」
「皆は昨年から比べると我々がライバルたちとより僅差になっていると感じているかもしれないし、実際はそうだろう。ただモンツァでメルセデスと比較したら約1パーセントの差があった。その影響でわずかながら順位を落とすことになってしまった」
「でも、いいシーズンだったと思う。次に向けてのいい基盤ができたよ」

 このように今季のウイリアムズを分析したシモンズ。昨年は選手権3位で終えられたことに幸福感を抱いていたが、2年連続で3位に終わった今年の反応は全く違う。早くも来季のパフォーマンスアップを目指し、シーズン終盤からFW37のアップデート作業をストップし、2016年用マシンの開発に乗り出している。チームの大部分が、今年の結果に満足していない証拠だ。

 ただシモンズは、3位という結果について絶望的な感想は持っていない。結果よりも、昨年比でマシンパフォーマンスがどう変化したかを重視している。

「ウイリアムズはこの10年、下位に沈み続けた。それが昨年は3位になることが出来た」とシモンズ。
「ここでは皆が全力で戦い、上位を狙っている。その中で3位という結果は十分に良い結果だと思う。もちろん、チャンピオンになることが最高の瞬間だけども、それよりも最悪なシーズンを過ごしたほうが気分的には落ち込むものだ。ところが、もしまた勝つことが出来たら、それは“まぐれではなかったこと”を証明できたことになる」

「その再びの勝利をめざして、大半のスタッフが現状に満足せず頑張ってくれているのは、非常にいいことだ」