マーカス・エリクソンが、ザウバーで迎えた今季前半戦は、自分自身でドライビングにストレスをかけていたと振り返った。
今季、ザウバーは新しいラインナップでシーズンをスタートし、開幕戦ではエリクソンが8位、僚友のフェリペ・ナッセが5位に入賞。その後も数戦でポイントを重ね、36ポイントでコンストラクターズ8位を獲得した。しかしドライバーズランキングでみると、エリクソンはルーキーのナッセに対して18ポイントの差をつけられ惨敗してしまった。
昨年はケータハムでデビューイヤーを迎えたが、チームの資金難とマシンの戦闘力不足でノーポイント。それだけに今年は彼の実力を見せつけようとした気持ちが無理なドライビングに繋がり、重要な場面でミスを犯すなどの失敗に影響したと語った。
「ケータハムでは難しいシーズンを過ごした。常にグリッドの一番後ろにいたけど、僕はそれが実力だと認めたくはなかった」とエリクソン。
「昨年はとってもタフだったよ。だからザウバーでドライブできることが決まった時は大きなステップアップになると思った」
「序盤戦はいつもトラックを目一杯使って実力を見せることに集中していた。でも今思えば、攻め過ぎていた。無理に限界を超えたドライブをしようとしていて、ストレスも感じていたね」
「特にチームメイトに先行を許した時はストレスを感じていた。次のレースではもっと攻めなければ逆転できないだろうと考えて、それがまた悪影響をもたらしたね」
こうして序盤戦はレース毎の成績でナッセに負けていたが、カナダGPから考え方を変えたという。
「カナダGPあたりから自分のメンタルアプローチを変更するようにした」
「周りに左右されることなく、何が正しくて何が間違っているのかを見極めることに集中した。特にシーズン序盤は正しい方向に進めていなかったね」
「レースウィークでは3回のフリー走行があるけど、それらは予選と決勝に向けて準備を進めていくもの。そこでポイントが獲得できるわけでもない」
「僕はパフォーマンスを見せつけようとフリー走行から無理をしていたのだと思う。そこに気づいて、予選と決勝で最大限のパフォーマンスを引き出すためのセッションにするようアプローチを変えていった」
「それだけでも予選で自分が求めているマシンの動きが実現するようになった。自信にもつながったし、冷静になれるようにもなったよ」
今年はザウバーで良い結果を出そうという気持ちが焦りにつながってしまったエリクソン。最終的なリザルトは満足のいくものではなかったかもしれないが、それ以上に大きな収穫を得た1年だったことは間違いないだろう。