ホンダF1プロジェクトの新井康久総責任者は、マクラーレン・ホンダは2016年も“サイズゼロ”のコンセプトを維持しつつ、パッケージを改善していくと語った。
マクラーレン・ホンダのパートナーシップが復活した今年、“サイズゼロ”のコンセプトでデザインされたMP4-30と、タイトなリヤエンドに合わせてコンパクトにパッケージングされたパワーユニットでチームは戦ったが、信頼性、パフォーマンスともに満足いくレベルに至らず、コンストラクターズ選手権9位に終わった。
ホンダはマクラーレンの“サイズゼロ”の要求に応えるために難しい作業を強いられた。他のチームはよりゆったりしたレイアウトを採り、信頼性のトラブルを避ける傾向にある。
しかしチームは来年も“サイズゼロ”のコンセプトを変更することなく、これを追求していくと、新井総責任者は明言した。
「その時々の状況や、どの方向に進めべきかといった問題については(マクラーレンやふたりのドライバーたちと)常にオープンに話し合っています。コミュニケーションをとてもうまく取れていますし、彼らはすべて理解しています」と新井総責任者はF1iのインタビューに対して語った。
「私たちはサイズゼロパッケージの哲学やコンセプトを維持していきます。来年はより高度なサイズゼロを目指して改善していきます」
さらに小さくするのかという質問に対して、新井総責任者は次のように答えている。
「すでに“ゼロ”に近いのでそれは難しいですね! でもこの特異でアグレッシブなデザインを使い続けていくべきなのです。改善は必要ですが、今年1年を通して、エンジンに関しても、シャシーとエアロに関しても、大きく改善したと感じました。毎戦たくさんのパーツを試し、大量のデータを集めました。来年はより優れたパッケージを作れるものと期待しています」
8月にはすでにパワーユニットに関し解決すべき問題を特定していたが、シーズン中のため大きな変更ができず、悔しい思いをしたと、新井総責任者は語った。
「8月に自分たちの弱点をより具体的に知ることができました。パッケージの弱点はMGU-HとERSのデプロイメントにあることは理解していましたが、その原因を突き止めるのに苦労していたのです。ですが8月にすべてがはっきりし、対策を講じることに集中できるようになりました」
「でもシーズン中にターボとMGU-Hを変えることはできません。レイアウトの問題なので、すべてを変えるのは難しいのです。そのため、問題を理解していながら変えることができませんでした」
「もちろん苛立ちは感じましたが、方向性は見つかりましたし、そういう面で来年に向けた仕事をスタートすることができました」
先月のBBCの報道では、新井総責任者は、ターボとコンプレッサーの効率化が「第一の目標」であり、コンプレッサーのサイズは拡大する予定で「メルセデスとほぼ同じサイズ」になる見込みだと述べている。