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嵐・二宮和也は“国民的俳優”となるかーー大御所も認める仕事へのスタンス

2015年12月19日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 嵐・二宮和也が出演した映画『母と暮せば』が、全国の映画館で上映中だ。先日、12月12日放送の『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)では、同作品で共演した吉永小百合がゲスト出演し、二宮の俳優としての活躍に焦点があてられた。


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 「うちのお袋より一緒にいましたから」と二宮が語ったように、約3カ月もの間、母親役の吉永と撮影所で過ごしたという。二宮が吉永の印象について語る場面では、「これまで出会ってきた人の中で一番優しい」と力説。「本当はいじわるかもしれない。次の作品では、もう一緒にやりたくないと思うかも」と返す吉永に対し二宮がつっこみを入れるなど、撮影期間中に互いの距離が縮められ、本当の親子のような良好な関係で撮影が行われたことを感じるやりとりが多く見られた。


 二宮は、山田洋次監督の初のファンタジー作品となる同作で、長崎で助産婦をして暮らす母・伸子(吉永小百合)の前に、原爆で死んだはずの息子・浩二として姿を現すという、難しい役どころに挑戦。かねてから演技力に定評があった二宮だが、今回の役を演じきったことは、彼の役者人生において大きなステップとなったことは間違いないだろう。
 
 また、櫻井翔が、吉永に対し二宮の印象を質問すると、吉永は「爽やか」と即答。「前の晩、どんなに遅くまで仕事をしていても朝9時前には必ず現場に来ていた。多少は眠そうだが、セットに入るとビシっとしていた。台詞も完璧」と、撮影中のエピソードを明かしつつ「これだけ若者が礼儀正しく、きちっとしていると嬉しくなりますね」と、賞賛した。山田洋次監督や吉永小百合のような大御所も認める演技に取り組む姿勢こそが、二宮が次々と名作に出演し続けている理由の一つなのかもしれない。


 映画の公開から、12月28日放送のTBS年末ドラマスペシャル『赤めだか』、来年1月3日放送の新春ドラマスペシャル『坊っちゃん』の放送と、年末年始にかけて二宮の俳優としての活躍が続く。『赤めだか』は落語家・立川談春のエッセイ、『坊っちゃん』は文豪・夏目漱石の代表作が原案と、映画に引き続き、出演作はいずれも歴史的名作ばかりだ。


 初出演ドラマ『元旦特別企画・松本清張原作「天城越え」』(1998年)から18年。映画『青の炎』(2003年)、『硫黄島からの手紙』(2006年)への出演、ドラマ『流星の絆』(TBS系・2008年)では、第49回モンテカルロ・テレビ祭テレビフィルム部門「男優賞」にノミネートされるなど、着実に俳優としての成長を見せる。


 2015年も、シングル3枚とアルバム1枚、ライブDVD2枚をリリースし、全国ドームツアーを開催するなど、アーティスト活動も精力的に行ってきた嵐。「音楽ファン2万人が選ぶ!好きなアーティストランキング2015」では、嵐として6年連続1位に輝き、国民的アイドルとしての地位を確立した彼が、二宮和也個人として次に挑むのが、国民的俳優への道なのだろうか。(竹上尋子)