マクラーレン・テクノロジー・グループのCEOであるロン・デニスは、フェルナンド・アロンソは2015年に苦労することは承知の上で加入したと述べる一方で、いずれは素晴らしい年月を過ごすことができるはずだと語った。
アロンソは昨年末でフェラーリを離脱し、新生マクラーレン・ホンダに加入した。しかし今年は信頼性のトラブルやパフォーマンス不足に苦しみ、入賞は2回、最高位はハンガリーの5位、合計わずか11ポイントでドライバーズランキング17位に沈んだ。
デニスに対してF1公式サイトのインタビューで、「フェルナンドがもらっている多額のサラリーは、むしろ彼が被る苦痛に対する補償金だと冗談でよく言われていますが、世界一のドライバーが後方で苦しんでいるのを見るといたたまれないような思いになりませんか?」という質問がなされた。これに対してデニスは、アロンソはある程度こういう状況を覚悟の上で契約したのだと答えた。
「フェルナンドとは3年契約を結んでいる。パフォーマンス条項は一切ない」とデニス。
「2015年は学習の年だということは彼も最初から分かっていた。同時に彼はホンダと共に我々は大きく前進していくということも分かっている。彼は状況をわきまえた上で我々のもとに来たのだ」
しかしアロンソはいずれ素晴らしいシーズンをマクラーレン・ホンダと共に過ごすことになると、デニスは付け加えた。
「彼は15年にわたってF1で戦い、知識も経験も積み重ねてきた。そして今もエネルギーと熱意に満ちている」
「もちろん彼は2015年よりもいいシーズンをこれまで送ってきた。だが今後は素晴らしい年月が彼を待ち受けている。マクラーレン・ホンダと共にそれを過ごすことになると彼は知っているのだ」
ブラジルGP予選中にトラブルで止まった後、アロンソはコース脇でデッキチェアに座って予選を眺めていた。“ひなたぼっこ”をする彼の写真はさまざまな形で加工され、「#PlacesAlonsoWouldRatherBe」のハッシュタグと共にTwitterで広まり、ジョークのネタになった。それを見たデニスは不快に思っていたものと考えられていたが、デニスは自分もジョークとして楽しんだと語った。
「あの時はひとりで笑ったよ。『よく学びよく遊べ』と言うではないか。多少のユーモアは悪くない」
「フェルナンドは才能があると同時に非常に努力をするドライバーだ。8年前マクラーレンで走っていた時と今とを比べると、大きく成長した。今や彼は、私が共に働いてきたドライバーたちの中でも最も完成したドライバーのひとりといえる。私がよく言う、『レーシングドライバーが養うべき4つのE』を彼は備えている。つまり、エネルギー、熱意、知識、経験(energy、enthusiasm、expertise、experience)を彼は持っているのだ」