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舞台『ジャニーズ・ワールド』今年も開幕! 主演のSexy Zone・佐藤&中島が見せた成長とは

2015年12月18日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 本年度で4回目となる舞台公演『ジャニーズ・ワールド』が12月11日、東京・帝国劇場で初日を迎えた。


(関連:Sexy Zone、最年長メンバー中島健人が果たす役割とは? 久々の5人体制シングルなどから考える


 2012年からスタートし、毎年恒例となっている本舞台。ジャニー喜多川氏が制作、構成、演出を務め、ジャニーズの真骨頂ともいえるさまざまな演出が見られる。歴代のキャストには、Hey! Say! JUMPやSexy Zoneなど勢いのあるグループから、まだメジャーに出ていない次世代のJr.まで、若手を中心とした新旧のメンバーを起用。アイドル・グループの域を超え、プロのエンタテイナーとしてのパフォーマンスが見られることも醍醐味となっている。


 あらためて、本舞台『ジャニーズ・ワールド』の魅力とはどういったところか。そして本年度の公演ではどこに注目すべきか。ジャニーズに詳しいライターの佐藤結衣氏に聞いた。


「本舞台は、堂本光一さんの『Endless SHOCK』や滝沢秀明さんの『滝沢歌舞伎』をはじめとするジャニーズ舞台の総集編。たとえば水を使った装置やフライングなど、これまで登場した演出がすべて詰め込まれているので、迫力もたっぷりです。
 ストーリーは“少年とプロデューサーによる時空を超えた旅”といったもので毎年おなじみですが、キャストは少しずつ変わっています。本年度の主演は、2013年度から連続で出ているSexy Zoneの佐藤勝利さんと中島健人さん。彼らを操るプロデューサー役は、昨年の錦織一清さん(少年隊)から本年度は内博貴さん(ex.NEWS)にバトンタッチしました。舞台が今年で4年目を迎えたことで、コアなファンは次の展開を知りながら観ています。今回はどこをマイナーチェンジさせてくるのか、細かな部分に注目したいですね」


 本年度でいうと、佐藤の登場する殺陣のシーンで、歌手・森進一の演歌を挿入したことが新たなエッセンスとなっている。曲は過去に森がカバーした、NEWSの「ありがとう・今」。当初この演出はなかったのだが、初日のジャニー氏のひらめきで加えられたそうだ。


「演歌を入れるという演出は目新しいですよね。ジャニーズの舞台は変更の繰り返しで、ジャニーさんがゲネプロの段階で『ちがう』と言って初演までに変更することがあります。稀に、プログラムごと無くしてしまうこともこともあるそう。一見すると突飛なアイデアですが、その指示が最終的に『やってよかったね』と言われているのは、エンターテイナー・ジャニーさんの凄さだと思います」


 そうしたジャニー喜多川氏の演出に忠実に、主演を務めるのがSexy Zoneの佐藤と中島。2013年から引き続き抜擢されていることでジャニー喜多川氏の信頼も厚いと見えるが、今回はどのようなところに注目すべきだろうか。


「2年目からSexy Zoneの年長3人が主演となり、昨年は菊池風磨さんが抜けてマリウス葉さんが入り、今年は佐藤さんと中島さんだけになりましたね。一貫してストーリーが同じということで、『ジャニーズ・ワールド』では彼らの成長が定点観測できるんです。また毎回プロデューサー役の先輩が変わるので、まだ若いSexy Zoneにとっては良い刺激になるでしょう。後輩でも毎年新たに参加するグループが出るので、Sexy Zoneが自ずと全体をまとめていく役割になります。こうした経験を積んで、舞台に立つ者としての素養を培い、逞しさを増していってほしいですね」


 さらに、本舞台で脇を固めているジャニーズJr.の見どころ、そして将来『ジャニーズ・ワールド』を引き継ぐかもしれない、ポストSexy Zoneの行方についても聞いた。


「Snow ManやSixTONESは、Jr.の中でも特に実力を積んできたメンバー。次のデビュー組と噂されているMr.KINGや、ローラ―スケートの得意なHiHi Jetなど、最近になってグループ名のついた若手にも注目ですね。なかでも特に舞台で存在感を出すグループが、Snow Man。高い身体能力を生かしたアクロバットが得意で、長らく『滝沢歌舞伎』についていました。Jr.の中では群を抜いて実力がありますし、彼らが『ジャニーズ・ワールド』に参加すると、一気に舞台としての厚みが増すように感じます。
 しばらくの間、主演はSexy Zoneが続けていくと思うのですが、そのポストを担うのはMr.KING vs Mr.PRINCEではないでしょうか。人気もついてきて、まさに今、実力のあるメンバーと組んでスキルアップしたいタイミングです。ちなみにMr.KINGの平野紫耀さんとSexy Zoneの佐藤勝利さんはプライベートでも仲が良いので、もし将来の主演をMr.KINGが引き継いでくれたら、個人的には胸熱です(笑)」


 1960年代から世に「男性アイドル」というジャンルを定着させたジャニー喜多川氏は、2012年に「チャート1位を獲得した歌手を最も多くプロデュースした人物」として3つ目のギネス記録を獲得。記録はいまも更新しつづけている。
『ジャニーズ・ワールド』は、そんなジャニー喜多川氏のエンタテインメントの才能と歴史が垣間見られる舞台。ファンならずとも、クオリティの高さに目を見張るに違いない。(遠藤良美)


※記事初出時、一部内容に誤りがございました。お詫びして、訂正いたします。