2015年12月18日 06:51 弁護士ドットコム
(この質問は、「Yomiuri Online」の人気企画「発言小町」に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)
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「発言小町」の法律相談コーナーには、相続や借金に関する質問が多く寄せられています。
そんな中、「自分(個人)でツアーを主催して月1くらいでネットで人を集め、バスなどを借りてツアーを行う場合、旅行業務取扱管理者の資格などは必要なのでしょうか?」と、ひと味違うご相談が寄せられました。
トピ主さんは「内容はマニアックな冒険ツアーなどを考えています。一応主催する側としていくらかの利益が出るようにとも考えています」といいます。
しかし、小町ユーザーたちはこの計画に大反対です。「主催がいかにも素人で、信用がないのに、払い込む人がいるのでしょうか」、「マニアックな冒険ツアーってアウトドアでしょうか? 老舗の有名旅行会社が企画しても不幸がおきたりしてニュースで大きく取り上げられています」。
なんの資格も持たない素人さんが、一念発起して「バスツアー」を開催することはできるのでしょうか? もし始めるとしたら、どんな資格や手続きが必要なのでしょうか?
(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「自分でバスツアーを行う場合」はこちら http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/1110/739058.htm)
A. 「旅行業法」に基づく登録が必要
このトピックの質問者が想定しているツアーは「募集型企画旅行」となるおそれがあります。その場合、旅行業に該当しますので、「旅行業法」に基づく登録が必要です。
「募集型企画旅行」とはパッケージツアーのことです。あらかじめ代金や旅程を定めた計画を作成した上で参加者を募集し、運送または宿泊のサービスを手配します。
質問者はバスを借りてツアーを主催するようです。観光バス会社のバスを手配するのであれば、運送サービスとこれに付随するサービスを組み合わせた旅行の計画を作成して参加者を募集するため、「募集型企画旅行」になります。
さらに、質問者はこのツアーを「利益が出るように」、「月1くらいで」実施しようと考えているとのことです。「募集型企画旅行」を、報酬を得て事業として行うことは「旅行業」に該当しますので、「旅行業法」に基づく登録を受けなければなりません。
無登録で旅行業を営むと100万円以下の罰金を科されますので、これから事業を始めようと考えている方は注意してください。
なお、質問者自身がバスを運転する日帰りツアーであれば、運送・宿泊サービスのいずれも手配していませんので、旅行業にはあたりません。しかし「道路運送法」に基づく貸切バス事業者の許可が別に必要となります。
【取材協力弁護士】
小池 修司(こいけ・しゅうじ)弁護士
東京弁護士会所属。旅行業法などの観光関連法に詳しい。立教大学法科大学院および観光学部で観光法の教鞭を執る。
事務所名:畑法律事務所
事務所URL:http://www.hatalaw.jp/