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向井理主演『遺産争族』最終回はどう動く? テレビ解説者・木村隆志氏に聞く

2015年12月17日 21:31  リアルサウンド

リアルサウンド

『遺産争族』公式サイトより

 家族の遺産問題にスポットを当てたホームドラマ『遺産争族』(テレビ朝日系)が、本日17日に最終回を迎える。前回放送された第8話では、いままで一家が揉めてきた遺産問題がようやく解決へと終息しようとする最中、遺産が置いてある家が火事になるという急展開で幕を閉じた。


参考:万国の榮倉奈々至上主義者よ、団結せよ!『遺産争族』の見どころはここだ!


 果たして遺産は燃えてなくなるのか、そして遺産問題はどんな結末を迎えるのか。最終回の見どころをテレビ解説者の木村隆志氏に聞いた。


「河村龍太郎(伊東四朗)の遺産の行方と、河村育生(向井理)の狙いの真相が最終回のポイントになります。ここまで、遺産をどうするか二転三転していましたが、先日放送された第8話では、ようやく家族全員へ相続されるように7等分されました。ただ、脚本が『白い巨塔』や『昼顔~平日午後3 時の恋人たち~』の井上由美子さんなので、家族の団結やハッピーエンドで物語を終わらせる可能性は少ないと考えられます。井上さんは、みんなが好きな王道を描くこともできますが、その一方で社会派ドラマを描くことにも定評があります。例えば、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』では、主婦たちの不倫の様子を描きながら、その通底に潜む彼女らの悩みを浮き彫りにしていましたし、『白い巨塔』でも、理想的な医者の姿を描いていると思ったら、最後には医療現場の秘密を暴くような結末を迎えました。結末に至るまでは、夢やファンタジーを描きますが、最後は綺麗事でなく、シビアな目線でリアリティを追求していきます。遺産争族も、おそらく最後には、なにかしら社会への投げかけがあるだろうと予想しています。単純な結論は出さず、視聴者を考えさせるような幕引きを迎えるのではないでしょうか」


 向井理演じる河村育生の本性も、気になるポイントだという。


「最終話では、いままで語られなかった育生の本音が明らかになります。初回から遺産には興味ないというキャラクターを貫いてきましたが、中盤以降 は河村恒三(岸辺一徳)や龍太郎にも反抗的な態度を見せるようになりました。第8話で育生の母・佐藤華子(岸本加世子)が言った『うちの息子はこんなんじゃない……』という台詞からもわかるように、ずっといい息子のイメージを貫いてきた育生が、相続問題に巻き込まれるなかで、大人へと成長しているのではと考えられます。脇を固める役者のキャラが濃い分、最初は向井理さんや榮倉奈々さんの演技に不安の声も上がっていました。しかし、 伊東四朗さんや三姉妹役の方々(余貴美子、室井滋、板谷由夏)の影響もあってか、結果的に向井さんの新たな一面が見えたドラマになったと思います。まだ育生の腹の底は明かされていないので、最終的に善人を演じるのか、それとも悪人を演じるのか、その演じ分けにも注目したいです」


 一筋縄ではいかない脚本に定評のある井上由美子だけに、最終回の予測が難しい同作。その結末は、向井理ら出演役者たちの今後の方向性にも影響を与えそうだ。(文=編集部)