マクラーレン・テクノロジーグループ会長ロン・デニスが、ホンダが今年苦戦したのは予想外のことではなく、来年事態を好転させるためにチーム全体が必死で努力していると語った。また、最終戦アブダビGPでは明るい兆しが見えたという。
今年はホンダがパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1に復帰することに注目が集まったが、チームは信頼性のトラブルとパフォーマンス不足に悩まされた。フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンが奮闘したものの、合計27ポイントしか獲得できず、コンストラクターズ選手権9位と、マクラーレン史上最低の成績に終わった。
しかしチームは問題が何かも、その解決法についても理解しており、来季巻き返しのために必死に取り組んでいるとデニスは語った。
「状況を変えるために何をすべきかは承知している。そのために我々は昼も夜も働いている」とデニスはF1公式サイトのインタビューで語った。
「たとえばだ。この冬、土曜か日曜にマクラーレン・テクノロジーセンターを訪れたら、駐車場の空きはほとんどないはずだ」
デニスはシャシー自体は優れていたと主張しながらも、ホンダが今年苦労したのは想定内のことだったとも語った。
「我々のシャシーは非常に優れている。すべてのデータがそれを裏付けている。ドライバーラインナップは今のF1でベストだ。それは記録が証明している」
「ホンダとのパートナーシップはまだ新しい。正確に言うと新たに再開したばかりのパートナーシップだ。結果が出るのに時間が多少かかるのは全く意外なことではない。F1とはそういうものだ。これまでもそうだった」
デニスは、最終戦アブダビGP決勝でアロンソが記録した自己ベストタイムが全体の3番手だったことが、マクラーレンが正しい方向に向かっていることの証であると語った。チームは残り8周の段階でアロンソに新品スーパーソフトタイヤを履かせ、“フルデプロイメント”のセッティングで走らせた。アロンソのタイムはルイス・ハミルトンが記録した全体のファステストラップと0.279秒差だった。
「非常に心強い結果が出た」とデニス。
「彼は55周のレースの52周目に自己ベストタイムを記録した。1分44秒796だ。このタイムを上回ったドライバーはふたりしかいない。メルセデスのルイス・ハミルトンとフェラーリのセバスチャン・ベッテルだ」
「最終戦で発揮したパフォーマンスは優れていた。これに関しては、よく使う言い回しになるが『それほど悪くない』と言うことができる」
レーシングディレクターのエリック・ブーリエも、決勝終了直後、アロンソが3番手タイムを記録したことは「『心強い』などという言葉では表現しきれない」ほどポジティブな結果であり、「我々が進歩しつつあるのは間違いない」と語っていた。