トップへ

フェラーリがF1撤退発言。エクレストンとの対立深まる

2015年12月17日 08:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

フェラーリロゴ
フェラーリ会長セルジオ・マルキオンネは、F1商業面のボス、バーニー・エクレストンとFIA会長ジャン・トッドがフェラーリが望まない規則変更を行うのであればF1から撤退すると発言した。

 トッド会長はパワーユニットの供給価格の高さを懸念し、これを制限するという提案を行ったが、フェラーリにブロックされた。その後、財政難のチームを救済するため、別仕様の安価なエンジンとの混走案を提示したものの、これもF1コミッションが否決。その代わりにマニュファクチャラーはコストや供給の保証などの問題を解決するための対策を講じることに同意した。

 一方で2日に開催された世界モータースポーツ評議会(WMSC)会合で、エクレストンとトッドに「F1の多数の緊急的問題、たとえば統治、パワーユニット、コスト削減といった問題に関する勧告と決断を行うための権限」が与えられることが決まった。トッドとエクレストンは来年1月31日までに結論を固める意向を示しており、エクレストンはよりパワーがあり今より安価な新しいエンジンを導入すると述べている。


 フェラーリはこのWMSCの決定に反発、チームとの契約内容に反しているとして抗議の手紙をFIAに送ったといわれている。

 フェラーリは低価格エンジンの導入に反対の立場を取っており、自分たちが賛成できないレギュレーションが導入されるようであれば、F1から撤退する可能性があるとマルキオンネは発言した。

「こういった選択には賛成できない。協調的なやり方で規則を進展させるべきだと思うからだ」とマルキオンネが述べたとBBCが伝えた。

「メルセデスとルノーも同意見だ。我々は何億ユーロという資金をつぎ込んでいるのだ。こういった決定は安易に下されるべきではない」

「小規模チームにとって手頃な価格のパワーユニットを作ろうとして、開発する能力のある組織の価値を損なう方向に向かっている。しかし開発こそが我々がレースをする理由なのだ」

「自分自身に、そして他の者に対し、パワーユニットを扱う能力を証明するために、我々は走っている。このアドバンテージが損なわれるのであれば、フェラーリはレースをするつもりはない」


 またマルキオンネは「フェラーリは、レースで勝利を収める能力を示すのに、今とは別の方法を見つけるかもしれない」「(フェラーリがF1を去るというのは)極めて残念な出来事だろう。だがフェラーリは窮地に追い込まれてひざまずき、ただ黙っていることはできない」とも述べている。
 さらに「小規模チームが苦境にあることはよく理解している。だがそれは(エクレストンがCEOを務める)FOM(フォーミュラワン・マネジメント)が解決すべき問題だ。フェラーリが解決すべきことではない」とも発言したと、Sky Sportsは報じている。

 一方エクレストンは、低価格エンジン導入に反対するマニュファクチャラーはF1全体のことではなく自身の成功のことだけを考えているとして批判している。

「このままではF1を破壊することになる。自分の都合で撤退するマニュファクチャラーのためにだ。実際、BMWやトヨタは自分の都合で撤退している」とエクレストン。
「我々はF1を救わなければならない。彼らは自分自身のために救おうとしているだけなのだ」