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V6森田&三宅、NEWS手越&増田、セクゾ菊池&中島……“シンメ”の関係性にはどんな物語がある?

2015年12月17日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 ジャニーズにハマるファンには、様々なハマる理由がある。容姿、歌、キラキラしたアイドル性、ワチャワチャした楽しげな雰囲気……中でも、メンバーの「シンメ」の関係性にハマるという人も多いのではないだろうか。「シンメ」とはシンメトリーの略であり、ステージの立ち位置が左右対称であるメンバー2人のことを指す。ほとんどのジャニーズメンバーにはシンメの存在がおり、そのコンビ間の関係性がフィーチャーされ、人気を博すことは珍しくない。では、一体シンメの関係性のどのようなポイントがファンを魅了しているのだろうか。今回は、人気のあるシンメを例に挙げながら考えてみたいと思う。


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■V6森田剛&三宅健


 まだ「シンメ」という言葉が出てくる前、ファンから“剛健コンビ”と呼ばれ人気を博した森田剛と三宅健。背丈やビジュアルもどこか似通っていることもあり、ジャニーズJr.時代からこの二人の“シンメ感”は多くのファンを虜にしたのではないだろうか。しかし、初めから“シンメ感”があったわけではない。持ち前のセンスや努力でトップアイドルの座を掴んだ森田に対し、三宅はオーディションなしで即アイドル雑誌に掲載されたというエリートだ。一方で、ジャニーズ一センスが良いと言われるダンスを披露する森田に対し、当時三宅はダンスが得意ではなかった。明言することはなかったが、お互いに対し、それぞれ何かしらの思いを抱えていたはずだ。しかし、常に一緒に行動していくうちにお互いを知り、クールな森田と人懐っこい三宅の性格が合致していったのではないだろうか。V6が結成される際も、メンバーに森田の名前がないことに気付いた三宅は「剛がやらないなら、入らない」と言ったエピソードは有名だ。すでに人生のほとんどの時間を一緒に過ごしている剛健コンビ。お互いを「太陽、自分は月」と表現し合うほどその絆は確かなものになっている。


■NEWS手越祐也&増田貴久


 テゴマスとしてCDデビューもしている手越祐也と増田貴久の魅力は、非常に分かりやすい。ピッタリと息が合ったハーモニーとその世界観だ。2人は、NEWSでの活動を見ていると小山慶一郎と加藤シゲアキのように分かりやすく仲が良いわけではない。しかし、テレビや雑誌等で「ライブの打ち合わせでよくケンカをするが、引きずらない」「言いたいことを言い合える関係」「お互いに干渉しないけど、距離感を調整できる」という彼らなりの関係性をよく話している。誤解を恐れずに言えば、この関係性は自然と構築できているというよりも、増田に依るところが大きいと思う。情熱的な手越を慎重かつ冷静な目で増田がよく観察し、合わせているのではないだろうか。それは歌い方にも表れている。真っ直ぐに前を向いて歌う手越に対し、増田は手越の顔を頻繁に見ながら合わせるようにハモりを入れる。これは手越と増田、各々の強みが上手く活かされた結果なのだろう。そしてその空気感が歌やステージングに表れ、独特の世界観を作り上げているかもしれない。


■Sexy Zone菊池風磨&中島健人


 今一番熱い若手シンメといえば、この2人だろう。ジャニーズ事務所に入所したのも1週間違いというほぼ同期である2人は、シンメという役割をしっかり認識した上でファンにパフォーマンスをしていると思う。菊池は慶応義塾大学、中島は明治学院大学と高学歴な2人だからこそファンからの「シンメ需要」を認識し、計算した上でシンメを演じているとも言える。菊池はややヤンチャなキャラクター、中島は正統派王子様キャラクターと一見正反対に見えるが、Sexy Zoneを引っ張って行く姿勢や笑いを取って盛り上げようとする姿を見ると、根本は非常に似ているということが分かる。そして、雑誌などで度々お互いへの思いを口にしているが、そこに必ず出てくるのが「ライバル」という価値観。単に仲が良いシンメではなく、切磋琢磨できる存在と言い合っているのだ。それもこれも、全て「もっと上へ行きたい」「ジャニーズのてっぺんを取りたい」という向上心の表れではないだろうか。そんな2人の姿勢こそが、ファンの心を掴んでいるのかもしれない。


 こうして見てみると、一口にシンメと言っても様々なタイプのコンビがいる。しかし共通するシンメの魅力は、そこに隠されている物語性だ。2人がどう関係性を築いてきたのか、お互いをどういう存在だと認識しているのか……コンビの間に流れる熱い物語が、ファンを虜にしている一因ではないだろうか。(高橋梓)