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AJフォイト、佐藤琢磨の残留とチーム体制の強化を発表/インディカー

2015年12月17日 05:01  AUTOSPORT web

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2016年も米インディカー・シリーズに参戦することが決まった佐藤琢磨
北米最高峰のレースシリーズ、インディカーに参戦するAJフォイト・レーシングは16日、2016年も引き続き佐藤琢磨を起用することを正式に発表した。

 2010年からインディカーに参戦している琢磨は、2013年に今のAJフォイトに加入し、その年のロングビーチで日本人初となる優勝を達成。以来、AJフォイトのダラーラ・ホンダをドライブする琢磨は、今シーズンの第14戦ミド・オハイオでシリーズ参戦100戦を記録している。

 今年、AJフォイトは2002年の参戦以来、初となるフルタイムでの2台体制を構築。琢磨は「最初の年としては素晴らしいシーズンだった」と振り返る一方で、「完璧な2カー体制をすぐに構築できなかったのは事実」と語ったように、今季のトップ5フィニッシュはデトロイトの2位1度だけ。インディカーで6シーズン目を迎えた琢磨にとっては決して満足できるシーズンではなかった。

 チームはこの日、2016年も琢磨とジャック・ホークスワースの残留を発表したが、「チームのパフォーマンスをより安定させるための重要なステップ」として、チームディレクターにアンドレッティ・オートスポートからジョージ・クロッツを新たに招聘、琢磨のレースエンジニアだったドン・ハリディをテクニカルディレクターに昇格させ、レースエンジニアリング全般を強化。エース琢磨をもとに勝てるチームへと体制強化を図った。

「琢磨とジャックはいくつものレースに勝てる才能の持ち主なので、彼らが来年もチームに留まってくれることを嬉しく思っている」と、チーム会長のラリー・フォイトは語っている。
「昨年着手した計画を継続し、発展させたことの成果はもうすぐ形となって表れるはずだ。このシーズンオフ、我々はすべての要素をあるべき位置に配置することで、レースに勝つだけではなく、チャンピオンを狙えるチームに育て上げていくつもりだ」
「チームの中核はこれまで同様に維持するいっぽう、弱点だった部分を強化することで、来シーズン、ABCサプライのマシンは非常にコンペティティブになるだろう」

 AJフォイトで4年目のシーズンを迎えることになった琢磨は、「来年もAJフォイト・レーシングで走れるのは本当に光栄なことです」と述べ、次のように続けた。
「このチームとともに戦うという素晴らしいチャンスをくれたAJとラリーには心からお礼を申し上げます」
「このチームにはたくさんの思い出がありますが、その思い出をさらに増やすことができるのですから、最高の気分です。来年の参戦を可能にしてくれたすべての方々に、ここで心からお礼を申し上げます」

 チームディレクターに就任した54歳のクロッツは1990年からの2年間、メカニックとしてAJフォイトに在籍していた人物で、今季はアンドレッティ・オートスポートでチームディレクターを務めていた。彼は新体制で2台のオペレーションを統括するとともにチーム内の合理化と効率の改善を指揮することになる。

 2016年のインディカー・シリーズは3月13日にセントピーターズバーグで幕を開ける。