F1パワーユニットマニュファクチャラーが検討しているコスト削減案の概要が明らかになった。さらに厳しい基数制限やパーツの標準化などが含まれている。
FIA会長ジャン・トッドは、パワーユニットの供給価格の高さを懸念し、これを制限するという提案を行ったが、フェラーリにブロックされた。その後、財政難のチームを救済するため、別仕様の安価なエンジンとの混走案を提示したものの、これもF1コミッションで否決。その代わりにマニュファクチャラーはコストや供給の保証などの問題を解決するための対策を講じることに同意した。解決法は2016年1月15日までに提出しなければならず、FIAは提案の内容によってはクライアントエンジン導入について再検討すると示唆している。
マニュファクチャラーの話し合いはまだ早期の段階に過ぎないものの、現時点で以下の3つの案について検討していることが分かったとMotorsport.comが伝えた。
1)パワーユニットのライフを延ばし、1シーズン1ドライバーあたり3基に制限する(2015年は4基)。
2)すでに開発が十分に行われ成熟したとマニュファクチャラーが判断したパワーユニットのパーツは凍結し、そこには予算を使わない。
3)単独サプライヤーが供給するスタンダードパーツ(MGU-HおよびMGU-Kが含まれる可能性も)のリストを定め、他のエレクトリックモーターシステムの管理に関しては完全な自由を認める。
これらの措置を導入するには時間がかかるものとみられ、FIAがそれを受け入れるのか、より早い時期に開始できる対策を求めるのかが問題になりそうだ。
なお、メルセデス、フェラーリ、ルノーは高価なMGU-Hを完全に廃止するという案に合意したものの、ハイブリッドにこだわるホンダがこれに反対したため、最近の会合ではこの案が否決されたとMotorsport.comは伝えている。
ホンダF1プロジェクトの新井康久総責任者は、ホンダはハイブリッドテクノロジーを開発するためにF1に参戦したのであり、それができないのであればF1活動を続ける意味はないと主張したということだ。
その後、フェラーリも、マニュファクチャラーはハイブリッドテクノロジーを追及すべきであるという意見を示している。
フェラーリ会長セルジオ・マルキオンネは「市販車製造と関わりのあるテクノロジーを無視するわけにはいかない。5年あるいは10年後にはほとんどの自動車にハイブリッドテクノロジーが搭載されるだろう」と述べたとBBCが伝えた。