セクハラやパワハラなど上司からの嫌がらせは、他人の見ていないところで行われることも多く、相談機関などに訴えても「証拠はありますか?」と言われて泣き寝入りせざるをえないことも少なくなかった。
ところがいまでは、録音や撮影ができるスマートフォンの普及などにより証拠を簡単に残せるようになった。もしそんな「証拠」を押さえることに成功したら、あなたはそれをどう使うだろうか。12月14日の「はてな匿名ダイヤリー」には、「上司のパワハラの証拠ってネットにアップしていいのかな」という書き込みがあり、ネットで話題になっている。
上司の家族に「この男の本性を見せてやりたい」と恨み募らす
ブログの筆者は、飲食業に勤務。「飲食なんてどこもブラックだと思うんだけど」と前置きしつつ、「上司のパワハラを録音したデータが結構たまったんだ」と明かしている。
そして上司に対し「これをあなたの名前と一緒にアップしようと思います」と告げたようだ。するとパワハラはなくなり、さらに「必要なら慰謝料も払う」と言われたという。しかし、それでは気が収まらない。
「こっちとしてはパワハラやめなくていいから相手を社会的に追い込みたいんだよね」
筆者は「早い話がネットを使った私刑をしたい」と考えており、「暴言の音源を社名と上司のフルネームと共にyoutubeにあげたら罪になる?」と問いかけている。
上司はネットの炎上によって「家族までやられること」を極度に恐れているが、筆者は上司の妻と年頃の娘に「この男の本性を見せてやりたい」「自分が有罪になってもいいからあいつを追い込みたい」と恨みを募らせている。
このエントリーには、同じような環境にあるネットユーザーから励ましの声が寄せられている。「徹底的にやれ、他の連中にも見せしめになる」「めちゃめちゃにしてやれ!」「がんばれ。超がんばれ」と煽る書き込みや、「この人の気持ちが痛いほど解ります。私もネット上に晒したい音源やメールが沢山あります」と共感するものもあった。
「訴訟する方が確実にダメージ」と過激な行動を諌める声も
その一方で、過激な行動を諌める書き込みも少なくない。「私刑は法律で禁止されています」とクギを刺すもののほか、「普通に訴えればいいんじゃないの?当然家族も知ることになるだろうし」と冷静な行動を勧めるものもあった。
「ネットなんて上手くやっても(炎上するのは)3日だよ。訴訟をする方が確実に長期にわたって家族へ事実やダメージが伝わるのでは」
アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士がコメントしたキャリコネニュースの記事には、ネットで「実名告発」をすることは、上司個人から名誉毀損で訴えられるほか、「会社の不利益になる行為を行った」として会社から懲戒処分がくだされるリスクがあると指摘されている。
やはり訴訟を視野にいれつつ、専門家に相談することがよさそうだが、上司のハラスメントによって傷つけられる辛さを知るネットユーザーたちは悪巧みを考えることをやめず、いろいろなアイデアを出し合っていた。
「データを入れたUSBメモリを落として紛失してしまったっていうストーリーはどうかな」
「Googleドライブとかだと、共有設定ミスって公開してましたってのなら、あると思う」
自宅にメモリを送りつけ、「奥さんが受け取って中開いてデータ見たらご愁傷さま。上司が受け取ったらよかったね。というのはいかが」と提案する人もいた。
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