ホンダの新井康久F1総責任者によると、F1のエンジンメーカーは最近開かれたミーティングにおいて、現在のパワーユニットが抱える問題点を解決するための「宿題」を課されたという。
11月末に、F1コミッションは現行パワーユニットのコスト削減の代替案として出されていた「予算つきエンジン案」を却下した。代替案が頓挫したことにより、マニュファクチャラーは2016年の1月15日までに、パワーユニットの抱える懸念を解消するための対策案を提出するよう要求されている。
これまでの議論について新井氏は「何も決まっていません。多くのトピックについて、たくさんの話しあいが行われてきました。私たちは将来の選択肢についての“宿題”を出されています。まだ、それほどの進展はありません」
「コスト問題のおかげでミーティングそのものは、まとまったかたちになりました。コスト削減に関する選択肢は数多くあります。これからすべてのマニュファクチャラーが選択肢を研究して、議論していきます。長い時間がかかるかもしれませんね」
「ですが、持続可能性と確実性といった点で、話しあいを持つことはF1の世界にとって良いことです」と新井氏は述べた。
フェラーリ代表のマウリツィオ・アリバベーネは、コスト問題はエンジニアよりもチーム代表らにとって重要であるとし、これからの方向性についての決断を下した。
「FIAは長い『やることリスト』を持ってやってきた。ターボはイエスか、シングルターボはどうか、その逆はどうかというようなリストの項目にチェックを入れるようなものではなかったので、我々はミーティングのアプローチを変えた。その場にいたチーム代表らは目標を設定していた」
「私はエンジニアが好きだが、彼らに決めさせたら、とんでもない方向に行ってしまうだろう。私も、また他の者も提案をした。それこそ我々がミーティングに参加した理由だからね。我々はエンジニアたちのために目標を決める必要があり、彼らは目標を尊重しなければならない。みんなが一丸となって、慎重な一歩を踏み出そうとしているところだ。2018年のエンジンを3時間で設計することなど不可能だ。しかし、その一歩は将来的に見て、目標を達成できそうなものに見える」