今年のル・マン24時間で総合優勝を果たしたニコ・ヒュルケンベルグは、複数の要因によって来年の連覇の可能性は失ってしまったものの、いずれ必ずル・マンに再挑戦するつもりだと語った。
フォース・インディアからF1に参戦しているヒュルケンベルグは今年、WEC世界耐久選手権に参戦するポルシェ陣営の3台目となる19号車ポルシェ919ハイブリッドでル・マン初挑戦。ニック・タンディ/アール・バンバーとともに、総合優勝を果たした。またこれにより、今年の『オートスポーツ・アワード』ではモータースポーツへ多大な功績を残した人物に贈られるグレゴール・グラント・アワードを受賞した。
ただ、来季はF1のアゼルバイジャンGPとル・マンの日程がバッティングしており、ヒュルケンベルグのル・マン連覇は現実的には不可能に。さらに、今季はル・マンで3台体制を敷いたポルシェも、来季はコスト削減の観点から2台体制となることとなり、仮にバッティングがなかったとしてもヒュルケンベルグの連覇は不可能となっていた。
ヒュルケンベルグはこのことについて「たしかに来年の連覇に臨むことができず、残念だという思いはある」と話す。
「それにはふたつの理由がある。ひとつは、カレンダーに問題があること。そしてふたつ目として、来年は3台目のマシンが出場しないことだ。仮に僕が(ル・マンに)行くことができたとしても、3台目がないのだから物理的に参戦することができないんだ」
それでも、ヒュルケンベルグはル・マンへの情熱を失ってはいない。ル・マンに戻る強い意志を、次のように語った。
「(来年のル・マンに参戦できないのは)ちょっと残念なことではあるけれど、僕は明るい面を見るようにしているんだ。いずれ戻ったとき、僕はウイナーとして戻ることになるし、それはもちろんいいことだ」
「今年が僕にとって最後のル・マンではないことは間違いない。とは言え、僕は今後も長くF1にいられると思っているし、そこで達成するべきものもまだ数多くあるんだ。でも、再びル・マンに戻ることができると確信しているよ」