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【2015ベストコレクション①】料理のように焼いたり蒸したり「イッセイ ミヤケ」が探求するレシピ

2015年12月13日 17:02  Fashionsnap.com

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ISSEY MIYAKE 2016年春夏コレクション(Baked Stretchのセットアップ) Image by: Fashionsnap.com
日本を拠点に活動するブランドを対象に、2015年に発表された新作から、特に優れていたコレクションをセレクト。デザイナーの思いや服作りにフォーカスする企画【2015ベストコレクション】第一弾は、パリで発表された「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」2016年春夏コレクションに注目する。

ベストコレクション①イッセイ ミヤケの画像を拡大

 「イッセイ ミヤケ」のデザイナー宮前義之氏はよく、服作りを料理に例えて話す。アイデアの種が実を結び、レシピを試して料理となり、ファッションショーというお皿の上で音楽や演出というソースをかけて仕上げる、といった具合に。デザイナーは、いわばシェフのような役目だが、特に宮前氏がチームを率いて研究を重ねているテキスタイルのレシピは独特だ。
 自然からインスピレーションを得ることが多い宮前氏が、10月にパリで発表した「イッセイ ミヤケ」2016年春夏コレクションのテーマは「Botanical Delights」。天然素材とテクノロジーの掛け合わせに挑戦し、特殊技術で織られた生地を蒸して縮めて立体的に成型する「3D Steam Stretch」を更に進化させた。また、パンのように焼いて成型する新しいテキスタイル「Baked Stretch」を発表。特殊な"のり"をプリントした生地をベーキングし、高温で"のり"を膨らませることでひだを成形して形状記憶させるという手法によって、カラフルで躍動感のある曲線プリーツが可能になった。いずれも完成までに試されたレシピは数十から数百におよぶが、それらのデータがまた次のテキスタイルと服作りの材料になるのである。美味しい料理のように「感動を与えたい」と話す、宮前氏の探求には終わりがない。
【映像・画像】ISSEY MIYAKE 2016年春夏コレクション
【過去のインタビュー】ISSEY MIYAKEのプロセス:デザイナー宮前義之 -アイデアの種から