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チャラいぶち上げ系!? きゃりーぱみゅぱみゅが見せたライブ最新モード

2015年12月13日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真=佐藤勲

 きゃりーぱみゅぱみゅが、12月6日に東京国際フォーラム ホールAにて『きゃりーぱみゅぱみゅ JAPAN HALL TOUR Crazy Part Night 2015』を行った。


 今回のツアーは、ファン参加型のパーティーをテーマにしており、それぞれの公演毎にパーティーカラーが設定されている。グッズに至っても、5色のラインナップのクレイジーパーティーカラーTシャツや、蛍光パターンが5色に光るクレイジーパーティーライトと“パーティー”を盛り上げるためのアイテムが完備されていた。ツアー最終公演となった同公演のパーティーカラーは<MURASAKI>。会場には、きゃりーのMV衣装に仮装したファンや、小さい子供を連れた親子連れ、パーティーカラーの<MURASAKI>を服装のワンポイントにあしらったファンなど多種多様だ。


 オープニングナンバー「Crazy Party Theme」が会場に流れ始めると、怪しくアダルトなクラブ風のセットがライトに照らされあらわになる。仮面を付けたダンサー7名、中央にDJ台と盛り上げ役のパーティーマスターが登場し、続けて階段の上の扉が開くと銀の星が施されたスパンコールドレスを纏ったきゃりーが現れ、会場からは大歓声が沸いた。


 パーティー1曲目を飾るのは、「No No No」。『アイスの実』CMソングであり、ニューシングル『Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~』カップリング曲でもあるこの曲は、きゃりーの楽曲の中でも一際アダルトな雰囲気を持つパーティーの幕開けにぴったりのナンバーだ。「こんにちは東京! きゃりーぱみゅぱみゅです! 今日はツアーファイナルということで一緒に楽しんでもらえたらいいなと思います! 今回のライブは私一人が立っているわけではなく、MURASAKI色の皆さんと一緒にライブを作って盛り上げていきたいなと思ってます!」とファンに向けて宣誓し、続けて「CANDY CANDY」「チェリーボンボン」「インベーダーインベーダー」といった自身の代表曲をパフォーマンス。きゃりーのほとんどのシングルカップリング曲には、「-EXTENDED MIX-」と題された過去のシングル表題曲の中田ヤスタカによるリミックスが収録されている。今回パフォーマンスされたのはその「-EXTENDED MIX-」。選曲アレンジに関しては、今回のツアーテーマである“クラブ仕様”に合わせたものだろう。


 次にきゃりーは、「100%のじぶんに」「ちょうどいいの」といったミディアムチューンから、ヘッドバンキングが起きるほどのロックナンバー「シリアスひとみ」を披露。「パーティーピーポー! ヒアウィーゴー!」という掛け声とともに始まったのは、ダンスパフォーマーによるBMXとパワライザーの演技だ。すると、セットの扉を開けて、ピンクのドレスに衣装チェンジしたきゃりーが登場。「ファミリーパーティー」「きらきらキラー」といった、縦ノリのリズムと愛らしい振り付けで会場一体となり更に熱を帯びていく。「きらきらキラー」では、タイトルが“きらきら”ということもあり、ステージのネオンが七色に輝く演出もあった。


 きゃりーは「今回のライブはやっててめちゃくちゃ楽しいんですよね! 今までのライブはミュージカル調で、皆さんが分かりやすく観てくれるライブをしていました。今回のツアーでは中田ヤスタカさんにいろんなリミックスを作って頂いて、それがすごくチャラかったので、チャラいぶち上げ系のライブがしてみたいなぁと思って、ナイトクラブという初めての挑戦をしてみました」と今回のツアーに至るまでの経緯を話し、続けて「私は、無機質な人形さんのようにパフォーマンスをすることをいつも意識してるんですけど、今回は『イェイ!』『フゥフゥ!』みたいに、すごく楽しくライブをさせてもらってます」と満面の笑みで語った。


 「元気な曲が多かったので、可愛い乙女のラブソングを歌いたいと思います」とコメントし、「こいこいこい」と恋愛感情をフルーツに例えた中田ヤスタカ独特の視点のラブソングを歌唱。2回目となるパフォーマンスタイムでは、LEDジャグリングのグラフィックポイがパフォーマーによって披露された。しばらくすると、きゃりーはカラフルな衣装に頭にリボンを付け登場。「にんじゃりばんばん」「つけまつける」「もったいないとらんど」「ファッションモンスター」とシングル表題曲であるキラーチューンを連続でパフォーマンスした。きゃりーはまさに“ライブを楽しむ一人”としてステージにいた。「ジャンプ! ジャンプ!」「せーの!」「イェイ!」「フゥ!」……など、ライブ中にファンに煽りとして向けられたセリフは数えられない。


 本編最後に「日本をハロウィンに染めてやろうと思って。一生歌い続けようと思います!」と宣言し、ツアータイトルにもなっている「Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~」を披露。サビの部分では、ファンも巻き込みゾンビダンスで会場が一体となり大盛り上がりの中、本編は終了した。


 アンコールで、きゃりーはピンクのうさ耳にツアーTシャツでステージに登場。きゃりーの初期代表曲「PON PON PON」での幕開けとなった。「今回のライブは大人な雰囲気で小ちゃいお子さんもたくさんいるので、心配してたんですけどやってた私が一番楽しくて。スタッフの方も『照明をいじっててすごい楽しい』とかPAの人も『ライブがすごい楽しい』とか言って頂けて、皆さんですごい素敵なライブになりました!」と感謝の言葉を告げた。また、遠征に来てくれたファン、どこの会場でも一番前の席で観ていてくれたファン、コールでライブを盛り上げてくれたファンに対して「ファンの方達と一緒にライブを作っている感じがすごく感動しました! 感謝してます! ありがとう!」とファンと共に充実したツアーが出来た喜びを噛み締めていた。


 最後に2016年の抱負については、「来年でデビューして5周年を迎えます。私も23歳になってきゃりーぱみゅぱみゅも大人になっていきます。5周年はド派手に行きたいと思っていますので皆さん応援をよろしくお願いします!」とファンに呼びかけた。アンコール最後に披露されたのは「もんだいガール」。BMXやパワライザー、パーティーダンサー、グラフィックポイといったパフォーマーも総出演のステージに、ファンも振りを真似し、ライトを振りかざし盛り上がりは最高潮に。きゃりーは、「みなさん今日は本当にありがとう! 素敵なMURASAKI色の皆さんでした! またすぐに会えると思う! ライブもたくさんやろうと思ってます! バイバイ!」と挨拶しステージを後にした。


 今回ライブで一番印象的だったのは、声を張り上げ生き生きとした表情でライブを楽しむきゃりーの姿だった。アンコール最後に披露された「もんだいガール」には<機械みたいに生きてるわけじゃない>という歌詞がある。きゃりーの作詞を手がける中田は、きゃりーの心情を汲み取り、それを反映させながら楽曲を提供しているわけだが、今回のツアー、そして今のきゃりーをあらわしているのはまさにこの曲ではないだろうか。来年5周年を迎え、さらに大人に、ド派手になっていくきゃりーの今後に期待するばかりだ。(文=渡辺彰浩)