FIAは2016年のヨーロッパF3選手権のスポーティングレギュレーションを大幅に変更。このなかでカートから直接ヨーロッパF3へステップアップすることを禁止した。
今年、トロロッソからF1へ参戦したマックス・フェルスタッペンはカートからヨーロッパF3へステップアップしたドライバーのひとり。デビューイヤーの2014年に年間10勝を挙げ、シリーズランキング3位となる活躍をみせた。今シーズンもカラム・イロットやアレッシオ・ロランディがフェルスタッペンと同様、カートからステップアップし、ヨーロッパF3へ参戦している。
しかし、2015年のヨーロッパF3選手権ではクラッシュが多発。5月末に行われた第4戦モンツァでは、フェラーリドライバーのランス・ストロールが宙を舞う大クラッシュに見舞われた上、第3レースが早期に打ち切られる異例の事態も起きている。
これを受けて、FIAはヨーロッパF3への参戦条件を少なくとも1年以上シングルシーターでレースの経験があることとし、カートから直接F3へステップアップすることを禁止した。なお、今季ヨーロッパF3へ参戦したドライバーのなかで、全33戦に参戦したのは、カートからステップアップしたイロットのみとなっている。
そのほか大きく変更されたスポーティングレギュレーションは以下のとおり。
・ヨーロッパF3に3年間フル参戦したドライバーのエントリーを禁じる。
・参戦ドライバーはFIAのトレーニングプログラムへ参加しなければならない。また、ペナルティポイントを設定し、12ヵ月以内に累積12点以上となった場合、1レース欠場とする。各マシンにはFIAが支給するカメラを設置する。
・参戦するドライバーは、レースの3ヵ月以内にヨーロッパF3が開催されるサーキットを走行してはならない。
・エントリー可能なのは1チームにつき最大4台まで。各チームは財政状況や運営組織の詳細をFIAに報告しなければならない。
・エントリーの仮登録に必要な費用を500ユーロ(約6万6000円)から5000ユーロ(約66万円)へ引き上げる。この費用は払い戻されないが、12月中に行われる本エントリーに必要な2万1000ユーロ(約280万円)から差し引かれる。
・“スチュワートが不可避の事態と判断した”場合を除き、チームがレースを欠場した場合、最低5000ユーロの罰金あるいは選手権から除外のペナルティを課す。
・5秒ペナルティ、10秒ペナルティ、バーチャルセーフティカーを導入する。